03


昼休みに生徒手帳を返そうとしたものの、騒がしい島直樹の所為で昼休みが潰れてしまった為放課後みょうじの教室の前で待つ事にした



物珍しそうに此方を見てくる生徒達とは視線を外し、ようやく教室から出てきたみょうじを見つける

声を掛けようか一瞬迷っていると俺の姿を見かけたみょうじの方が此方へ歩み寄ってきた


「あっ、昨日の…」

「隣のクラスの藤木遊作だ。昨日、落としただろう。」


そう言って生徒手帳を差し出すとみょうじは驚いた表情を浮かべたものの、直ぐに笑顔を浮かべて頭を下げた


「これ…何処かで無くしたと思って探してたんです。本当にありがとうございます。」

「気にするな、偶然拾っただけだ。」



目的を達成した為踵を返して帰ろうとした所、不意にみょうじが俺の制服の裾を引っ張った



「あの…この生徒手帳、本当に大切なものなんです。だから、拾ってもらったお礼をさせて下さい。」



そう言って柔らかな笑顔を浮かべるみょうじの姿に少し、鼓動が速くなった気がした


無意識の意識

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証明写真の類って大抵写真写りが悪い気がするのは気の所為でしょうか。
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