01


ハノイの騎士とのデュエルやAiの解析を終えてから数日後、俺はいつものように草薙さんの店へ向かっていた



「Aiがハノイの騎士と何か関係があった事は間違いない。今後何かしらの対策が必要……っ!?」

「わっ!」



どうやら物思いに耽っていたらしく、前方から歩いてきた人物と正面からぶつかってしまった


「悪い、大丈夫か。」

「あ、はい大丈夫です。こっちこそごめんなさい。」


そう言って俺と同じ学校の制服を身に纏った少女はぶつかった拍子にばらまいてしまった鞄の中身をかき集める

ぶつかった原因が俺にもある為、散らばったノート類を集めているとふと古ぼけた一冊の本が目に止まった


「…赤ずきん?」

「あ……その本、お姉ちゃんとの思い出の本なんです。」


差し出した本を受け取った少女ははにかみながら一言、そう答える

まじまじと見たその顔に何処となく既視感を覚えたものの、何処で見たのかが思い出せない



「荷物、拾ってくれてありがとうございました。えっと、それじゃ失礼します。」

そう言って深々と頭を下げた少女は鞄と草薙さんの店で買ったと思われるホットドッグが入った袋を抱えて走り去って行った

その姿をぼんやりと眺めていた最中、ふと足元へ視線を向ければ一つの生徒手帳が目に入った


「みょうじなまえ、か…。」


十中八九、さっきの少女の落とし物だろう

明日、返却する時にもう一度顔を見れば既視感の正体がわかるだろうか?



そんな事を思いながら、俺はそっと生徒手帳をポケットへしまいこんだ


邂逅、そして一瞬の既視感

―――――
今後リンク召喚はどうなりますかね。
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -