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「どうした遊作、元気ないな。」

「…別に何でもない。」



夕方学校帰りの遊作が店へと寄ってきたが、どうにもその表情は落ち込んでいるような不機嫌なような、何とも言い表し難い表情をしていた

なまえとケンカでもしたんだろうか?



『なまえはPlaymakerサマが素敵だって言ってたよなー。ありゃ恋かもしれないぞ。』

「余計な事を言うな。」



あからさまに不機嫌さを醸し出しながらピシャリとAiへ反論する遊作を見て、大凡の内容は理解出来た



「恋とはちっと違うんじゃねえかとは思うが…まあ気になるならあれだ、なまえに直接聞いてみればいいんじゃねえか?」

『遊作がそんな事聞けると思うかあ?』

「あー…やっぱ無理か、無理だよな。女子に声掛けるのも難しいもんなあ、遊作は。」



Aiと俺が話している中、遊作はますますふてくされたような表情を浮かべる

なまえと出会ってからの遊作はほんの少しずつだが表情が豊かというか、年相応な部分が見られるようになった気がする


これもなまえのおかげかと感慨深く思っていた所、座っていた遊作が急に立ち上がった



「お、どうした?」

「帰る。」

『あれれ、もしかして怒っちゃった?』

「うるさい。」



有無を言わさずデュエルディスクを持ち、そのまま帰路に就く遊作を見送る


なまえに尋ねる事は出来るのか、遊作自身の問題ながら気になってしまうのはアイツが積極的に人と関わらない所為もあるのだろうとぼんやり考えた

まあ、焚き付けたのは俺とAiなんだがな


どちらに転ぶかは自分次第

―――――
遊作可愛いです。
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