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「草薙さん、これは?」

「見ての通りだ。皆まで言わなくてもわかるだろ?」

「…まあ。」



違う、そうじゃない

俺が草薙さんに聞きたい事は3つある


1つ、今日はなまえが委員会で店へ来られないのを見計らったかのように草薙さんが俺だけを呼んだこと

2つ、俺を呼んだ草薙さんが何故か水族館の入場チケットを2枚持っていること

3つ、そのチケットを俺に渡そうとしていることだ



「知り合いが買ったんだが急用で行けなくなったらしくてな、俺に譲ってくれたんだ。」

「その譲ってもらったチケットを何故俺に?」

「店が忙しくて行けそうにないんだよ。折角2枚あるんだからなまえを誘って行ってこい、遊作。」



そう言って草薙さんはチケットを手渡してくる


だったら草薙さんがなまえを誘えばいいんじゃないだろうか

そんな俺の心を読んでか、草薙さんは更に言葉を続けた



「俺が誘うよりお前が誘った方がなまえも喜ぶだろうさ。チケットは明日までだからな、忘れんなよ。」



そう言って草薙さんはホットドッグを注文しに来た相手の方を向き直る



「…水族館、か。」



そもそもなまえが水族館を好きかどうかも俺は全く知らない

誘った所で彼女は来てくれるだろうか



2枚分のチケットを握り締め悶々としたまま俺は一人、帰路に就いた


誰かを誘うという、未知なる事

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暑くなると水族館へ行きたくなります。
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