09
ポケットへ入れたロボットは意外と大人しくしていた為、早くなまえへ渡してやろうと放課後なまえの教室へと向かう
暫くして教室から出てきた彼女は俺の姿を見ると少々驚いた様子で此方へ走ってきた
「遊作くん、どうしたの?」
「コイツがなまえを捜していた。早く渡した方がいいと思ったから、持ってきた。」
『なまえ、なまえ!』
ポケットから差し出したソイツは直ぐになまえの名を呼び、彼女の手に飛び乗る
「うーちゃん!また学校まで付いてきちゃったの?」
「…うーちゃん?」
「あ、うさぎの形をしてるからうーちゃんって名前なの。お父さん逹が作ってくれたロボットに、お姉ちゃんが小学生の頃自分で作ったAIを搭載したんだって。」
大切そうにロボットを撫でるなまえを見て、彼女がどれだけ大事にしているかがよくわかった
それと同時にプロデュエリストであるみょうじあねのなまえのスキルの高さに驚かされる
一般的に普及しているデュエルディスクは勿論、あれ程小型のロボットにAIを搭載する技術を幼少期から確立している人物はSOLテクノロジー社にもなかなかいないだろう
そんな事を考えながら手のひらに乗るロボットを眺めているとソイツが俺の手に乗り、名を尋ねてきた
『ナマエ!ナマエは?』
「俺は藤木遊作だ。」
『ユウサク!ユウサクも、なまえとうーのトモダチ!』
「もう、うーちゃんってば…ごめんね、遊作くん。」
「いや、気にするな。」
嬉しそうに飛び跳ねるロボットの姿を見て、此方も自然と口元が緩む
なまえと俺の間を何度も往復するソイツを伴い、今日も俺逹は草薙さんの店へと向かった
機械仕掛けのトモダチ
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ネーミングセンスがなくてすみません。