08
「最近、なまえと一緒にいる時間が増えた気が…」
「おい藤木!おいって!」
GO鬼塚とのデュエルを終えた次の日
以前にも増してなまえと接する機会が多くなったようだとぼんやり考えていた中、けたたましく自分の名を呼ぶ声に思考が現実へと引き戻される
呼んだのは相変わらず騒がしいクラスメートの一人、島直樹だった
「次は移動教室だろ、もうみんな行ってんだからボケッとしてんなよな。」
「わかってる。」
悪いヤツではないが少々…大分、喧しいヤツだ
それだけ告げればさっさと教室を後にする島に続いて扉を開け、廊下へ出た
『なまえ!』
すると何処からか、なまえの名を呼ぶ声がする
気になって周りを見渡してみると廊下の隅に見た事のない、小さなうさぎの形をしたロボットがちょこんと座っていた
『なまえ!』
どうやら声の主はコイツらしい
しゃがみ込んで視線を合わせてやればソイツは跳ねながら此方に近付いてきた
「お前はなまえの知り合いか?」
『なまえはトモダチ!あねのなまえが作ってくれた、なまえのトモダチ!』
話を聞く限り、なまえが所持しているロボットに間違いなさそうだ
何度もなまえの名を呼ぶソイツを手に取り、俺は自分のポケットへと入れた
「静かにしてたらなまえに会わせてやる。だから、放課後まで大人しくしてろ。」
『了解!了解!』
元気よく返事をするソイツに何となくAiを思い出しつつ、俺は漸く次の授業で使う教室へと向かった
奇妙な出会いの相手
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うさぎ形のロボットがあったら可愛いな、と思う願望が詰まってます。