崇高なる貴方の為に
「ではリボルバー様、いってきます。」
「ああ。」
VR空間の中で私はリボルバー様に深々と頭を下げる
これからSOLテクノロジー社に潜入し情報を手に入れたり破壊工作をしたりする、所謂スパイ活動をするのだ
「しかし、何も君が危険を犯す必要等…」
「いえ、スペクター様。直に手に入れた情報の方が信憑性が増します。……それに、私にはデュエルで戦い抜く術はありませんから。」
そう、私には知識があってもデュエルで戦い抜く力はない
私にもっと力があれば、こんな回りくどい事をしなくてもイグニスを捕らえる事が出来るのに…
自分自身が悔しくて情けない
そう思って唇を噛みしめていると、いつの間にかリボルバー様が私の眼前にいた
「…リボルバー様?」
「お前は優秀な人間だ、なまえ。…私の役に立つ事を期待している。」
そう言ってリボルバー様はVR空間から姿を消してしまった
物心ついた時から施設で育った私には両親は勿論、親しい人間等今までいた事もなくずっと孤独な人生を歩んできた
そんな私に手を差し伸べてくれたのはリボルバー様だけだった
世界から弾かれた私に優しくしてくれた唯一の人、リボルバー様
何を犠牲にしてもこの人に付いていこう
私の全てを捧げ、あの人の望みを叶えよう
もう一度決意を新たにし、私はVR空間を後にした
崇高なる貴方の為に
―――――
リボルバーさんの素顔が気になります。