無邪気で厄介な愉快犯


「ねー、いい加減解放してよー。ここヒマ過ぎ。」

「何度も同じ事を言わせるな。我々の情報を消去、もしくは返せば解放してやると言っている。」


「ハノイの騎士が言う事なんか信じられる訳ないじゃん。」



自分が拘束されているにも関わらず、危機感が無いのかあっけらかんとした眼前の女に軽い頭痛を覚える


なまえと名乗るアバターの女はかなり腕利きのハッカーらしく、我々が気付いた時には此方の情報の一部を盗み得ていた

あらゆる手を使いその張本人を見つけ拘束、その真意を問い質したものの返ってきた答えが『なんか面白そうだったから』というものだった



「なまえと言ったな。返答次第で貴様に電脳ウイルスを仕込む事も出来るが…」

「盗んだ情報に一定時間、私が触れないとネット上へその情報が拡散されるようになってるけど。ハノイ側としてはそっちの方がマズくない?」


流石ハッカーの端くれといった所、此方に対するアドバンテージは持っているという事か



「何が望みだ。」


我々に仇なす者ならば実力行使も厭わない

そう考え強い口調でなまえと名乗る女を見下ろしたものの、そいつは怯える事もせずにこりと笑い


「ハノイの騎士がこれからどんな事をしてくのか、近くで見せてよ!」


悪意も何もない、無邪気な子供のように声高らかに言葉を紡ぎ出す



「…まるで愉快犯だな。」



我々も厄介な人間に目を付けられたものだ

自分の置かれた立場等全く理解しようとしないなまえという女に対し、私は小さく溜め息を吐いた


無邪気で厄介な愉快犯

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リボルバーさんを振り回すの楽しいです。
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