誰よりも大切な親友
「エマ!」
「あら、なまえじゃない。久しぶりね。」
広場で一休憩していた所、聞き覚えのある声で私の名が呼ばれる
其方を振り返ってみた所、そこには親友のなまえが私に向かって手を振っていた
「半年ぶりかしら。いつ戻って来たの?」
「昨日の夜にね。なかなか大きい依頼だったから時間掛かっちゃった。」
なまえは私と同じ電脳トレジャーハンターで、お互い必要な情報があれば交換したりする相棒のような関係だった
「まあその分、報酬も大きかったからいいんだけどさ。」
「あらいいじゃない。私の依頼はまだまだ時間が掛かりそうだわ。」
「またまたー。そんな事言ってても、エマは楽しそうじゃん。」
そう言って楽しげに私の頬をつつくなまえ
この仕事に携わる身として、私は簡単に人を信用したりしない
人は簡単に裏切るけど、お金なら裏切ったり裏切られたりしないもの
それでもなまえだけは信用出来るし、信頼出来る
彼女と過ごした時間はそれほど多くはないが、それだけはどんな情報よりも確かな事だった
「ね、久しぶりに会ったんだし何か食べに行こうよ。」
「いいわね。なまえ、何が食べたい?」
「おいしいケーキ!」
「ホント、相変わらず子供っぽい事を言うのね。」
「だっておいしいもん。」
久々に会っても何も変わっていないなまえを見ていると何だか安心出来る
彼女に気付かれないよう小さく笑みを浮かべながらヘルメットを被り、なまえにもヘルメットを渡す
「運転手さん、安全運転でお願いしまーす。」
「はいはい。…さあ、行くわよ。」
バイクの後方へと乗り、私の体に腕を回してぴったりとくっつくなまえ
なまえが親友で本当に良かった
背中から伝わる彼女の体温を感じながら、私はバイクを走らせたのだった
誰よりも大切な親友
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エマさんは頼れるお姉さんって感じですね。