一日遅れのハッピーバースデー


「なあなまえ、俺が悪かった。ホント、ごめん。だから機嫌直してくれよ。…な?」

「………。」



時計の針は既に0時を回ってる中、俺は必死に頭を下げて恋人のなまえに平謝りしている


しかし彼女は謝罪の言葉すら聞きたくないのかお気に入りのクッションを抱えたまま、俺の方を一切見ようとしない

…これは相当怒ってるな



何故こんな事になっているかというと、今日…いや、昨日はなまえの誕生日で前々から彼女に忘れないでねと再三言われていたのだ

だが近頃活発な動きを見せているハノイの騎士の情報収集を遊作と共にしていた所、うっかりその事を忘れてしまっていた


その後遊作に日付の事を指摘されなまえに電話をしたものの、応答はない

急いで彼女の住むアパートへと向かい合鍵を使って入り冒頭に至る、という訳だった



「なまえ、わざとじゃないんだ。どうしてもやらなきゃいけない作業があって、それで…」


返事がない

まだまだご立腹のようだ



「……わかってる。」

「なまえ、」

「翔一が仕事以外に何かやってるって。それが凄く大事なことだって事も。」



ようやく口を利いてくれたものの、やはりなまえはこっちを見てはくれない

自分の所為だとわかっていてもここまで避けられると流石にこう、傷付く



「でも、恋人の誕生日をすっぽかされたら誰でも怒るでしょ。普通。」

「…返す言葉もないな。」


やっとこっちを振り返った彼女は怒りが収まっていないのか、小さく頬を膨らませている



「だから、ね!」

「うおっと!」


言うが早いか勢いよく俺に向かってクッションを投げ付けるなまえ

何とかキャッチしたものの、今度は何故かなまえまで俺へ飛び込んできた



「今日は一日、私の傍にいて。そしたら許してあげる。」

「わかった。今日はずっとなまえの傍にいてやるよ、約束だ。」



ようやく笑顔を見せてくれた彼女を強く抱きしめ、俺となまえは一日遅れの誕生日を祝ったのだった


一日遅れのハッピーバースデー

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有能過ぎる草薙さん好きです。
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