深い優しさと愛に包まれて
「この間は急に会えなくなってすまない、なまえ。仕事が立て込んでしまって…」
「いいよ、大丈夫。晃の仕事が忙しいのはわかってるし、こうして別の日に時間作ってくれるしさ。」
高級料理店で食事をしながら私は恋人であるなまえに対し、頭を下げる
なまえは首を振って許してくれたものの、私の気持ちは晴れずにいた
ハノイの騎士やPlaymakerがリンクヴレインズに現れてから早数日
セキュリティの強化作業やイグニス奪還の任務が重なり、なまえとのデートの約束も幾度となく反故にしてしまっていた
こう何度も約束を破る男よりもなまえには他に相応しい男がいるんじゃないだろうか
そんな事を考えながら食事の手を止めていると、眼前で食事をしていたなまえが不意に私の両頬を引っ張った
「……なまえ?」
「今、『なまえには自分よりも相応しい人間がいるんじゃないか』とか考えてたでしょ。」
心中を見透かされたような言葉に思わず表情が固まる
「私は仕事を頑張ってる晃が好きなの。デートが出来なかったからって、怒ったり泣いたりしないよ。」
「なまえ…」
「だからね、」
たまに会えた時位は笑った顔を見せて
そう言って笑顔を浮かべるなまえの姿に自分の心が温かくなるのを感じた
深い優しさと愛に包まれて
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財前さんを見てX兄様に就職先が見つかったと思った人、私と握手しましょう。