常に前進
「…負けちまった。」
Playmakerとのデュエルを終え早数日
俺は一人、リングに寄り掛かりながらぽつりと呟く
施設の子供達はデュエルに負けたこんな俺でもチャンピオンだと言ってくれた
だが子供達の他に、俺には勝ち続けたかった理由があった
「なまえは…笑ってるかもしれねえな。」
自嘲気味に呟きながら天井を仰ぐ
なまえは同じ施設で育った所謂幼馴染みのような関係で、施設を出た今でもたまに連絡を取り合うような間柄は続いていた
話を聞いた所施設を出た後花屋に勤めているらしく、給料の何割かを施設に寄付しているらしい
そのなまえは俺がプロデュエリストになった時は自分の事のように喜んでくれて、俺はそんななまえをもっと喜ばせたい一心も含めてずっと勝ち進んできていた
だが、この間のデュエルで敗北を喫してしまった
もう愛想を尽かされたかもしれない
そんな事を考えていた矢先、不意に眼前の扉が大きく開いた
「豪、この間のデュエルお疲れ様。すっごくカッコ良かったよ。」
「なまえ…。」
そう言ってなまえは俺に真っ赤な花が沢山束ねられた花束を手渡してきた
「それ、ガーベラって花なの。花言葉は『常に前進』。豪にぴったりでしょ?だから、」
ずっと私の、私達のチャンピオンでいてね
そう言ってはにかむなまえの姿に俺は笑顔を浮かべ、彼女の頭を撫でた
常に前進
―――――
鬼塚さん某有名グループのハーフ、関口さんに似てて観る度に思い出してしまいます。