06
「しかしまさか、遊作が此処に友達を連れてくるとはな。しかも俺達の正体を知ってる人間を。」
「草薙さん、穂村くんは最近転校してきたばっかりなんだって。」
「お、そうなのか。」
所変わって此処はDencity内の広場
先程空き教室に身を隠していた人物は穂村尊という名の転校生で
自らをSoulburnerと名乗り、自分自身もロスト事件の被害者だと打ち明けてきた
そして彼が所持していたイグニス、不霊夢からサイバース世界を崩壊させた者はリンクマジックを使用していた事を知らされる
リンクマジックは草薙さんの弟の意識データを奪ったボーマンが使っていた魔法カードだ
不霊夢から他のイグニス探しを頼まれたがその道すがら、再びヤツと相見える可能性は十分にあるだろう
追っ手を返り討ちにした腕は勿論、事情も聞かず奴等のデュエル相手を引き受けてくれた事から信頼に値する人物である事は理解出来た
だが…
「えっと…確かみょうじさん、だったよね。」
「みょうじさんじゃなくて、なまえでいいですよ。折角こうして知り合えたんですし。」
「そ、そう?じゃあ僕の事も尊でいいし敬語も無くていいよ、なまえさん。」
…理由はわからないがなまえが彼、尊と話していると何処なく心中が穏やかではない
なまえが誰にでも優しい性格なのは重々承知の上、話しているといっても挨拶程度の言葉だというのに
『ん?どうした遊作、ビミョーに変な顔して。』
「お前に言われる筋合いはない。」
『はい、久しぶりのこの感じ!』
「黙れ。」
この3ヶ月でAiに変化が訪れたかもしれないと考えたが、やはり根本的なものは何も変わっていないらしい
ある意味でとてもAiらしいと思いつつ、俺達は草薙さんが見つけてくれた手掛かりに目を通した
やはり拭い去る事は出来ない、嫉妬心
―――――
遊作がちょっと嫉妬してたら可愛いかもと思いまして。