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「全く…雑魚が束でかかってきた所で無駄だと理解したと思っていたのですが、そうではなかったようですね。」



風のイグニスが作った量産型のAIを相手にし、私は小さくほくそ笑む


リボルバー様が命じられた事はこの雑魚共の殲滅

雑魚はさっさと片付けてしまいましょう



「もう、邪魔しないで!」

「おや、あれは…」



AIを振り切るかのように建物の中から飛び出してきたのは常にPlaymakerの傍にいるデュエリスト、Little Red Hood

現実世界での名をみょうじなまえといい、またプロデュエリストでもあったみょうじあねのなまえの妹でもあるらしい

そんな彼女が何故、AIを振り切ってまで外に出ようとしているのか


「大方、Playmakerが今置かれている現状を外に伝えてくれとでも言われたんでしょうかね。」


私にとって色々と好都合な条件が重なった為、彼女…Little Red Hoodを追っていたAIの一体を破壊する



「…えっ?あ…あの、ありがとうございます。」

「礼には及びませんよ。リボルバー様の敵を破壊しただけですから。」

「でも、おかげで助かりました。ありがとうございます。」

「…貴女は変わった人ですね。」

「?」


敵である私達に向かって感謝の言葉を紡ぐとは



「それじゃ私、Soulburnerの所へ行かなきゃいけないんで…」

「彼ならもうすぐ来ますよ。…ほら。」



私が指差す方向には炎のイグニスを連れたSoulburnerの姿

此方に気付いた彼は全力で向かってくるとまるで守るかのように彼女を自身の背に隠し、私の方へと向き直る



「…お前、Little Red Hoodに何もしてないだろうな。」

「まさか。私は貴方にイグニスの真実を見て頂く必要があると思い、此処でお待ちしていただけですから。」

「イグニスの真実?」



人類を敵と見なしたイグニスが起こした事件、これから彼等が起こそうとしている信じられないような出来事


その目でしっかりと見て下さい、Soulburner、Little Red Hood

懐疑的な視線を向けるSoulburner、不安気な表情を浮かべるLittle Red Hoodに対し、私は小さな笑みを浮かべながらリボルバー様が戦うステージへと彼等を案内するのだった


真実を知る為の役者は揃った

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エコーの残骸が少し、可哀想でした。


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