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『あー、始まる!始まっちまう!』



ウィンディがAiを誘い出し、俺達が拘束されたこの場にリボルバーが現れた事でまさに今、始まろうとしているリボルバーとウィンディのデュエル

両者を止めようにも身動きの取れないこの状況ではどうする事も出来ない


せめてなまえだけでもこの場から逃がしたい所だが、ただなまえに逃げろと言っても逃げない事は俺自身がよくわかっている



「Little Red Hood!この状況を草薙さんとSoulburnerに伝えてくれ。」


だから俺達が戻ってくるのを待っている筈の草薙さん達にこの状況を伝える役目をなまえに担ってもらえば此処から彼女を逃がす事が出来る


「でも…PlaymakerとAiちゃんが閉じ込められたままだし、このままにしておけないよ。」

「…Little Red Hood。」



不安気な表情を浮かべながら此方を見やるなまえを見てしまい、気持ちが揺らぎかけてしまう

だが…



「俺達は大丈夫だ。リボルバーとウィンディのデュエル、この戦いが終わるまで奴等は手出しをしてこない筈だ。だから…頼む、Little Red Hood。」

「Playmaker……わかった。私、草薙さん達にこの事を伝えてくる。絶対助けに戻ってくるから待ってて、Playmaker、Aiちゃん。」



そう言ってなまえ…Little Red Hoodは俺と手を合わせるように此方を閉じ込めている障壁へ触れた後、この場から離れる為に駆け出し始める



…これでいい、これでなまえが危険な目に合う可能性は著しく低下しただろう



そして、さっきまでなまえが触れていた障壁部分

体温等伝わる筈がないのに、彼女が触れた部分だけが温かい気がするのは何故だろうか


駆け出していくなまえの背を眺めながら俺は一人、不思議な感覚を覚えていたのだった


障壁越しのぬくもり

―――――
リボルバー対ウィンディ戦は言葉の応酬が凄かったです。


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