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「ねえ草薙さん。遊作くん…大丈夫かな。」
「まだ遊作が行ってから10分も経ってないだろ?アイツの事だ、心配ないさ。」
遊作がAiを探しに出て数分後
アイツの事が心配ななまえはそわそわしながら画面の前で行ったり来たりを繰り返している
「きっと遊作はAiを連れてすぐに戻ってくるよ。だからそんなに心配しなくても大丈夫じゃないかな?」
「でも、何だか嫌な予感がするの。遊作くんとAiちゃんに何かあったような…そんな気が。」
そう言葉を口にすると不安気な表情を浮かべながら先程まで遊作がいた場所を見つめるなまえ
こういう時のなまえの勘って当たってる事が多いんだよなあ…
「草薙さん。やっぱり私、遊作くんとAiちゃんの所に行ってくる!」
「は!?いやいやちょっと待てなまえ、もう少し様子を見てからでも…」
「もしかしたら遊作くんが前みたいに拘束されてるかもしれないし、助けないと!」
「え、そんな事があったの!?」
遊作が以前、ゴーストガールと財前に拘束された事を知らない尊は驚愕の表情を浮かべるがとにかく詳しい説明は後だ
このままじゃなまえが本気で遊作の後を追って行っちまう
「とにかく落ち着けなまえ、遊作だってお前を危険に晒したくないから一人で…」
「草薙さんっ!」
何とかなまえを宥めようとする俺に対し、ただ真っ直ぐに此方を見つめるなまえ
その大きな瞳には有無を言わさない力強さが込められていて、OK以外の選択肢がないようにも感じられる
「……はあ。絶対、無茶するんじゃないぞ。」
それを聞いた瞬間、嬉しそうに頷くと即座にイグニスが作ったと思われるサイトへと向かうなまえ
「…草薙さん。」
「すまない、尊。アイツらが戻ってくるのが遅かったら…」
「わかってますよ。」
俺の苦労を理解してか、小さく苦笑しながら頷く尊
なまえだけじゃなく遊作とAi、お前達も無事でいてくれよ
これが罠でなければと思いながら、俺はただ三人の無事を願うしかなかった
あの眼差しには逆らえない
―――――
苦労人の草薙さん。