16


風のイグニス、ウインディが作った風のワールド内に現れたボーマン

ヤツは俺の過去を自らの記憶のように語り、再びデュエルを挑んできた


その後ボーマンにデュエルで勝ったまでは良かったのだがヤツはハルと共に消えてしまい、それに伴いワールドも消滅してしまった


その一連の経緯を草薙さんに伝える為、俺達は草薙さんの所に集まっていた



「俺とのデュエル中にボーマンが話した過去は俺のものだ。」

「お前の過去を知っているということか。」



だがその語られた過去もロスト事件最中のものだけでしかなく、おそらく別の誰かから情報を断片的に与えられたものなんだろう



「すまない草薙さん、結局何の手掛かりも掴めなかった…。」


草薙さんの弟の情報を求めて風のワールドに赴いたもののそのワールドもボーマン自身も消え、再び振り出しに戻ってしまった


「それは仕方がない。お前達が無事に戻ってこられて良かったよ。」

「草薙さんの言う通りだよ、遊作くん。遊作くんは何も悪くないもん。」


「…草薙さん、なまえ。」


草薙さんとなまえが慰めの言葉を掛けてくれるがあの時、ボーマンを見失わなければ何かしらの手掛かりを得られていたかもしれない

そう考えれば考える程、気落ちせざるを得なかった



それから皆で今後の事を話し合った後、帰宅すると今しがた話したばかりの草薙さんから着信があった


「どうした、草薙さん。」

『遊作。悪いが明日の朝早く、ウチの店に来てくれないか?』

「それは構わないが…急ぎの用事なら、今から向かっても、」

『い、いや明日でいいんだ。じゃあ明日、忘れるなよ。』

「…?ああ。」



草薙さんは俺の言葉に対し何故か慌てていたようだったが、理由がわからない俺は首を傾げながらも通話を終了する



そして次の日

前日に言われた通り、朝早く店の前で草薙さんを待っていたのだが…



「おはよう、遊作くんっ。」

「…なまえ?」


そこに現れたのは草薙さんではなく、満面の笑みを浮かべたなまえだった


姿を現したのは

―――――
少しばかり本編から寄り道します。


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -