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「俺はこれでターンエンド!フフフ…この森の鉄人メタル・バブーンを前になまえ、お前が何処まで出来るか見ててやるぜ!」

なまえがブレイヴ・マックスとのデュエルを開始しその挙動をつぶさに眺めていたのだが、あまりに稚拙なそのデュエルに苛立ちすら覚えてしまう


奴のフィールドには攻撃力2600のリンク2モンスターが1体のみな上に手札、及び伏せカードはゼロ
ライフはメタル・バブーンをリンク召喚する為に特殊召喚したグリーン・バブーンのコストで半分に減っている

それでいて何故か自信満々に上から目線で発言するその尊大な態度に自分だったら有無を叩きのめしている所だ


「リボルバー様。」

「ああ、スペクターか。」

「果たしてあのような雑魚がなまえの相手になるのでしょうか?」

「どうだろうな。それはデュエルをしてみない事にはわからん。」


途中で合流してきたスペクターと戦況を見守る中、後攻であるなまえのターンが回ってくる


「私のターン、ドロー。……いくよ。私は手札を1枚伏せてテラ・フォーミングを発動。デッキからフィールド魔法、閃刀空域―エリアゼロを手札に加え、エリアゼロを発動。そして、自分フィールドの伏せカードを対象にエリアゼロの効果を発動。自分のデッキの上からカードを3枚捲り、その中から閃刀カード1枚を手札に加える事が出来る。私は…閃刀機―ウィドウアンカーを加え、伏せカードの閃刀術式―シザーズクロスを墓地へ送る。」

「なんだあ?魔法カードばかり発動しても俺には勝てないぜ?」

「…次におろかな副葬を発動。デッキから錬装融合を墓地へ送る。そして、閃刀起動―エンゲージを発動。デッキから閃刀起動―エンゲージ以外の閃刀カード…私は閃刀機―ホーネットビットを手札に加える。更に墓地に魔法カードが3枚以上ある場合、デッキから1枚ドロー出来る。」

「い、いつの間に魔法カードが3枚以上溜まってたんだ…?」

「…まだまだ。閃刀機―ホーネットビットを発動し閃刀姫トークンでリンク1、閃刀姫―カガリをリンク召喚。このカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の閃刀魔法カードを対象に発動出来る。そのカード……私は、閃刀起動―エンゲージを手札に加える。」


「……始まったな。」


なまえが扱う閃刀姫は魔法カードを駆使して妨害や除去を行い、リンクモンスター単騎で相手を倒す
まさに一騎当千と言っても過言ではないデッキだった


その後も手札の無いブレイヴ・マックスには何も為す術がなく最終的にはなまえが発動した魔法カード、閃刀術式―ベクタードブラストでエクストラモンスターゾーンに存在していたメタル・バブーンはエクストラデッキに戻され、奴のフィールドにはモンスターが皆無

更に閃刀姫―カガリは自身の墓地の魔法カードの数×100の攻撃力上昇効果があり、既に9枚の魔法カードが墓地に溜まっていた為攻撃力が900上がったカガリの総攻撃力は2400…ブレイヴ・マックスの残りライフを上回っている


最早どうする事も出来ないブレイヴ・マックスは2400のダイレクトアタックを受け、呆気なく敗北を迎える

そしてなまえはダイレクトアタックの余波を受け吹き飛んだ奴の所へ向かい、小さく頭を下げ


「…ありがとう。少しだけ……楽しかった。」


そう呟き、僅かに笑って見せるなまえ

なまえがデュエルに関連した事で笑ったのはこれが初めての事だった


僅かな変化は大いなる一歩になる

―――――
これでも3分の1はデュエル描写を削りました。


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