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「了見、これで完成?」

「ああ。」



今朝からずっと私の手元と画面を不思議そうに眺めていたなまえが小首を傾げながら尋ねてくる

完成というのはリンクヴレインズ内で使用するなまえの為のアバターの事で簡単な設定や容姿はなまえに一任した後、細かい調整等は私が担ってようやく今アバターが完成した所なのだ



「次回からログインをすればこのアバターで仮想空間…リンクヴレインズ内でデュエルをする事が出来る。……しかしなまえ、本当に良かったのか?」

「良かった…って、何が?」

「デュエルだ。あんな思いをしたのなら、なまえが無理にデュエルをする必要はない。」



リンクヴレインズはデュエルの為にあるような仮想空間、否が応でもデュエルを避ける事は出来ないだろう

なまえの過去を鑑みればデュエルに良い思い出等有りはしないのだから、トラウマを刺激するような事は極力避けたいのが本音なのだが…



「大丈夫だよ、了見。」

「何故そう言い切れる?」

「だって、了見が一緒にいてくれるから。」

「私は…」



リンクヴレインズ内で私は『鴻上了見』としてではなく、『ハノイの騎士のリボルバー』として存在している


果たしてそんな私がなまえの傍にいて良いものか悩んだものの折角彼女が自分自身で決め、前へ進もうとしているのだ

私がそれを制止するのは野暮というものだろう



「了見……一緒にいるのは、駄目?」

「まさか、そんな筈はないさ。なまえが望むなら私は現実世界でも仮想世界でも、お前の傍にいよう。」



その言葉を聞いたなまえは満面の笑みを浮かべながら私の隣に腰掛ける


どの世界にいようと、どんな姿であろうと、私はこの少女を守ってみせよう

人知れず決意を固め、なまえの頭をくしゃりと撫でてやれば彼女は再び嬉しそうに此方へ笑い掛けてくれるのだった


どちらの世界でも守るべき存在

―――――
いつかデュエル描写も入れたいです。


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