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「何処だ、なまえ…」
なまえが此処を飛び出して行ってから既に2時間は経っただろうか
直ぐに街中の監視カメラにハッキングをしてなまえを探してはいるが、何処を探しても見つかる気配がない
このまま見つからなかったらなまえはどうなってしまうのか
「了見様、此処は私が。了見様は監視カメラの映らない場所を。」
そんな焦りが見え始めた私を見かねてかスペクターがハッキング作業を代わると、そう伝えてきた
私自身が蒔いた種に巻き込むのは多少気が引けたが今はそんな事を言っている場合ではないと、小さく謝罪を告げて街の中心部へ向かおうとする
「了見様。」
「…何だ。」
「彼女…なまえは了見様がハノイの騎士だと知ってもきっと、了見様の傍にいたいと。そう考えていると思いますよ。」
それだけを私に伝え、スペクターはハッキング作業に取り掛かり始める
「…ああ、そうか。」
先程の言葉を私はなまえの事を気遣って口にしたものだとばかり思っていたが実際にはなまえの為ではなく、ただの独りよがりな考えだったと気付かされた
既になまえは此処にいたいと、そう意思表示をしていたというのに
「…すまない、なまえ。」
なまえの意思を蔑ろにしてしまった事を人知れず詫びながら私は街の中心部へと向かい始める
奇しくもあの時…なまえと出会った時と同じように、空からは大粒の雨が降り注いでいた
気付かされた彼女の気持ち
―――――
この後の展開ですが、2つの道で悩んでます。