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1枚の画像データに写っていたなまえと思しき人物

彼女と無関係とはとても思えなかった為調べてみた所、断片的だが様々な事がわかってきた



その施設には身寄りがない者や養護施設等から引き取られてきた5人程の子供達が集められ、デュエルの知識ややり方を強制的に叩き込まれた

更に訪れた客との賭けデュエルを強要され勝たなければ食事すらも満足に与えられない、そんな生活がおよそ10年も続けられていたらしい



「…酷いな。」


父が起こしたロスト事件

その被害者である6人の子供達もデュエルを強要されていたが10年という途方もない時間、その子供達がデュエルを強要されていたと思うと背筋が凍りそうになる


そして調べていく内に私の目はある一文に釘付けになった


『保護された少年少女達の年齢は推定15、6歳。しかし火災現場では4人しか保護されず、残りの一人は未だに行方不明。』


「行方不明…。」



思い出してみれば確かに当時はそんなニュースが毎日流れていたような気もしたが、所詮探している家族や親類縁者がいる訳ではない

時間が経過するにつれその行方不明者を捜索しているニュースは鳴りを潜め、今では見る事がなくなっていた



その後調べを続けていたものの、これ以上の情報は何処を探しても出てくる気配はなく

私は自室を離れ、なまえの様子を見に行く事にした




「まだ、眠ってるのか。」


そっと部屋の扉を開いた所なまえは未だ眠っていたが、きっと恐ろしい夢でも見たのだろう

その頬には涙の跡が残っていた


「…こんな感情を抱くのは初めてだ。」


誰かを慈しみ、守りたいと思うなど今まで考えた事もなかった

涙の跡が残るなまえの頬へ触れる中、私は初めて抱いた感情にただ困惑の色を浮かべるのだった


今まで抱いた事のない、この感情

―――――
ただでさえ無口なのに最近主人公を喋らせてない事に気付きました。


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