小さなサンタ達からのサプライズ
「ほらお前達、俺となまえからのクリスマスプレゼントだ。」
「わー!ありがとう!」
「はい、どうぞ。」
「ありがとう、なまえおねえちゃん!」
クリスマス当日の夕方、俺となまえは子供達に渡す沢山のプレゼントを抱えながら施設を訪れていた
1つずつ子供達にプレゼントを手渡してやればアイツらは輝くような笑顔を浮かべながらプレゼントを受け取っていく
「みんな喜んでくれたみたいで良かったね、豪くん。」
「ああ、そうだな。」
そう言って子供達を優しげな眼差しで見つめるなまえ
そんな彼女の横顔を眺めつつ、俺はポケットに入っているなまえへのクリスマスプレゼントを確かめるようにそっと触れる
本当はクリスマスデートでもして二人きりになった時にプレゼントを渡したいが、だからといって子供達を施設に残したまま出掛ける訳にもいかない
…まあ、デートは無理でも後日プレゼントを渡せる事が出来ればなまえはきっとわかってくれるだろう
「鬼塚にーちゃん、なまえねーちゃん!」
俺がそんな事を考えていた矢先、子供達が俺となまえの所へと駆け寄ってくる
「どうした、お前達。」
「何かあったの?」
「これあげる!」
ニコニコと屈託ない笑顔を浮かべながら差し出されたのは画用紙に描かれた俺となまえの顔
その下には大きな字で
『鬼塚にーちゃんとなまえねーちゃん、いつもありがとう!』、『きょうはくりすますでーとしてきてね。』
…と書かれていた
「お前達…。」
「ぼくたち、ちゃんとみんなでるすばんできるよ!」
「だからなまえおねえちゃん達もせっかくのクリスマスだもん、デートしてきてね。」
「みんなからのサプライズプレゼントだぜ、鬼塚にーちゃん!」
…まだまだ幼い子供達だと思っていたのに、いつの間にか成長していたんだな
「なまえ、少し外に出るか。」
「…うん!」
外出に誘えば嬉しそうに頷き、俺の腕へとくっついてくるなまえ
子供達の歓声と送り出すように大きく手を振る動作に俺達は顔を合わせて小さく笑い、束の間のクリスマスデートを楽しんだのだった
小さなサンタ達からのサプライズ
―――――
子供は無邪気で可愛いです。