まさにクリスマス限定、悪性ウイルス
「そこで何をしている、なまえ。」
「え?やだなリボルバー、見てわかんない?」
そう言って私の方を見やり、ニコニコと満面の笑みを浮かべるなまえ
無論、理解はしている
だがなまえが何故そのような事をしているのかは理解する事が出来なかった
「だって世間はもうクリスマスだよ?みんなでお祝いしたら楽しいかなーって思って。」
「だからといって、我らがいるこの空間を構成しているプログラムを書き換えてまでツリーを出現させる必要はないだろう。」
今私の眼前にそびえ立つ巨大なクリスマスツリー
それは我々の仲間であるなまえがプログラムを改竄してまで出現させたデータのツリーだった
「まあまあ、そんな事言わずにリボルバーも楽しもうよ。サンタさんだっているんだよー。」
そう言ってなまえが奥から連れてきたのは服装をサンタクロース風の服に変えられてしまったスペクターだった
「申し訳ありません、リボルバー様。なまえから申し込まれたデュエルに負け、このような姿に。」
「…いや、これはなまえを自由にさせ過ぎた私の責任だ。」
ハッキングやクラッキングの腕は勿論、デュエルの腕も立つからと比較的自由を与えていた為にこのような事態を招くとは…
なまえが原因で私が大きな溜息を吐いている事等露知らず、彼女は次々とデータを書き換えていく
「やっぱり冬なんだから雪は降らせたいよね。後はトナカイとかソリも欲しいかなー。」
「やめろなまえ。この虚構の空間を今以上に虚構まみれにするつもりか。」
「えー、別にいいじゃーん。1つや2つ、他の虚構が増えても問題ないよきっと。」
そう言葉を紡ぐと私の命令等最初から聞く気がないのか、さらに虚構のものを生み出していくなまえ
「…貴様はクリスマス限定のコンピューターウイルスか。」
既に聞く気のないなまえを余所に、同意を示すように頷くスペクターを見て私はもう一度、大きな溜息を吐いたのだった
まさにクリスマス限定、悪性ウイルス
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この後リボルバーさんもサンタ服に変えてこっぴどく叱られます。