欲に負けてしまった結果


「なまえ、大丈夫か?」

「翔一くん…。あんまり大丈夫じゃない、かも。」



土曜日の夕方

明日の仕込みを終えた俺の元に恋人のなまえから『風邪を引いてツラいから助けてほしい』と連絡があった為急いで彼女のアパートに向かった所、そこには寝込んでいるなまえの姿があった


「熱はどの位だ?他に症状はあるのか?」

「確か……熱は38度、だったと思う…。あとは…食欲がないけど、喉が渇く感じ…。」

「そりゃ熱が上がりすぎて脱水気味になってるのかもな。ポカリ、飲めるか?」


そう言って俺がペットボトルを差し出せば小動物のようにちびちびと飲み始めるなまえ

…くそ、可愛いな



それにただでさえ可愛いなまえが熱の所為とはいえ頬を赤く染めながら目を蕩けさせ、パジャマの隙間からは汗ばんだ肌が顔を覗かせているこの状況

正直言って、目の毒以外の何物でもなかった


「あー…そ、そういや果物も買ってきたんだ。今切ってきてやる…」


このままだとヤバいと思った俺は適当な理由を付けてなまえの傍から離れようとしたんだが、俺の心中等知る由もないなまえが服の裾を引っ張って呼び止める


「翔一、くん?」

ベッドで上半身だけ起き上がらせてるなまえと立ち上がった状態の俺

必然的に上目遣いになるなまえの顔を見た瞬間、俺の中の理性が一瞬飛んだ


「……っ、なまえっ!」

「しょ、翔一くんどうし……っ!?ん、う…」



そう言うが早いか、俺は熱の籠ったなまえに深い口付けを行う

驚いたなまえは此方を引き剥がそうとするがそもそも最初から力の差は歴然である上、熱に浮かされた状態の彼女が俺に敵う筈もない


暫くなまえに触れていなかった所為もあり、貪るように角度を変えながら幾度となく口付けを重ねた俺はなまえのパジャマのボタンに手を掛けようとする

だがそこでなまえが俺の腕の中でぐったりしている事にようやく気付き、欲に負けていた理性が徐々に自分を取り戻していく


「や、やっちまった…。」



その後慌ててなまえの看病をしたものの結果的に彼女の風邪は悪化の一途を辿ってしまい、なまえは5日間も寝込んでしまった

そして俺はというとようやく回復したなまえからかつてない程怒られ、3日間彼女に口を利いてもらえないという罰を受けたのだった


欲に負けてしまった結果

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線引きとしてはセーフだと思ってます。
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