大人の余裕は脆くも崩れ去った
「聞いて聞いて、Ai!今日はね、不霊夢と一緒にゲームをして遊んだんだよ。」
『へー、そうなのか。』
「不霊夢ってば私に負けてムキになっちゃって、もう5回も同じゲームをやらされちゃってさあ。」
『ふーん。』
「意外と負けず嫌いなんだね、不霊夢って。」
『……。』
今、俺と話してんのは遊作達の仲間であるなまえ
ハッカーとしての腕は高いがデュエルの方はそうでもないらしく、主に草薙と遊作のバックアップを務めてる女子高生だ
前まではちょくちょく俺と遊んでくれたなまえだったが、最近は不霊夢とばかり遊んでてあまり構ってくれなくなった気がする
「不霊夢ってゲームだけじゃなくて、トランプとかしてても結構顔に出るんだよね。まあそういう所も面白いんだけど。」
『あー、ハイハイそうですか。』
「え?何かAi、機嫌悪い?」
俺が不機嫌な理由に思い当たる節がないのか、首を傾げながら俺の頬部分をツンツンとつつきながら尋ねるなまえ
ここで素直に不霊夢相手にヤキモチを焼いてたから機嫌が悪いなんて言ったら大人気ないしなあ……よし、ここは大人の余裕を見せてヤキモチなんか焼いてないて言っ
「でも私、やっぱりAiと一緒に遊んでる時が一番楽しいかなー。ねえAi、明日一緒にゲームして遊ばない?」
『遊びます!!』
結局俺は大人の対応を見せる所かヤキモチを焼いてた事すら伝える事が出来なかった訳だけど、なまえが俺を構ってくれた
たったそれだけの事が嬉しくて、俺はなまえの腕にぴったりとくっついて嬉しさを表現したのだった
大人の余裕は脆くも崩れ去った
―――――
不霊夢に対抗意識持ってたら面白いかなと思いまして。