眠り姫を起こすのは俺の役目
とある平日の早朝
一足先に起きていた俺は未だベッドの中で気持ち良さそうに眠っている同棲中の恋人、なまえを起こそうとカーテンを開けて眩しい日差しを部屋に呼び込む
「なまえ、朝だぞ。」
「うー……もうちょっと寝てたいー…」
「今日は朝から会議があるって言ってただろ?早く朝メシ食っちまわないと遅刻するぞ。」
「…あと5分ー……」
「そう言って出てきた事は一度もないだろうが。」
相変わらず直ぐには布団から出てこないなまえの姿に思わず小さく苦笑を浮かべてしまう
普段のなまえは家事も仕事も何でもそつなくこなすまさに完璧な女性だったのだが、そんな彼女にも弱い部分があったようで
同棲してからわかった事だがどうやらなまえは朝に弱いらしく、何回声を掛けてもベッドから出てこない事等今までにどれだけあった事か
「このぬくぬくを手放したくないのー。」
「…ったく、しょうがないな。」
だからといって俺だって何もせず、手をこまねいてる訳じゃない
こういう時のなまえを起こす為の術は持ち合わせている
「なまえ。」
「…うー……」
「ほら。」
布団の中から辛うじて顔だけ覗かせているなまえの頬を軽く撫で、触れる程度の軽いキスをする
「っ、ん…。……しょう、いち…もっと、ちょうだい…?」
「…やれやれ。我が儘な眠り姫だな。」
こりゃ遅刻ギリギリコースかな
どうやらウチの眠り姫はもっと沢山の口付けをご所望らしい
…まあ、なまえが望まなくたって嫌って程キスしてやるよ
先程よりも深く、強い口付けを落としながら俺は寝ぼけ眼のなまえに深い口付けを落とした
眠り姫を起こすのは俺の役目
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夜更かしは苦手ですが、早朝に起きるのは得意です。