※永遠にBad end2の続き。死ネタでは終わらない。
「バリさ、」
「ん…」
「雲雀さん!」
目を開けると心配そうに覗き込んでいる沢田の姿があった。
「君、なんで」
「何でって雲雀さんが怪我したからお見舞いに来たんです!」
雲雀はゆっくりと起き上がり辺りを見渡す。
「此処は」
「病院です」
雲雀さん、大丈夫ですか?と不安げに彼を見る。
「吃驚しましたよ。雲雀家に遊びに行ったら雲雀さんが血だらけで倒れてたんですもの」
「血だらけ」
沢田の言った言葉を静かに復唱する。あの生々しい出来事は夢だったのか。
「その上壁には弾痕があるし銃は落ちてるし雲雀さん一体誰に撃たれたんですか?」
屈託のない瞳でねぇ、と問い詰められる。
雲雀は沢田の質問には答えず、先ず自分の中の疑問を解決することにした。
「ねぇ、変態は生きてる?」
「骸のことですか?勿論生きてますよ」
「じゃあ野球馬鹿と駄犬は」
「勝手に死なせないで下さいよ」
ちゃんと生きてますと沢田は笑顔で答えた。
あの出来事の設定では自分は沢田の友人を皆殺しにしたが、それらは皆生きている。
やはり夢なのか。
しかし自分が沢田でない誰かに銃に撃たれたという記憶がない。壁の弾痕と銃はあの夢(ということにしておこう)と辻褄が合う。
雲雀は訳がわからない。
「ねぇ。」
もし僕が嫉妬と独占欲にかられ君の友人を皆殺しにしたら、君は僕を殺す?
沢田は驚いたが雲雀の額に唇を落としすぐいつもの表情に戻った。
「何なんですかいきなり。でもそうですね」
もしそうなったとしても俺は貴方を殺せないと思います。
何故なら、
やっぱり俺には貴方が必要なんです
〈end〉
2009.09.29
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