永遠にBad end2
永遠にBad endの別バージョン


※死ネタ







雲雀は目を瞑った。
「僕は此処から動かない。」


沢田は雲雀に銃口を向けたまま苦しげにトリガーに手をかけた。


ガウンと鈍い音が部屋に響き渡る。






暫くして雲雀はゆっくりと目を開けた。

横を見ると壁に真新しい弾痕があった。

前を向くとまだ銃口から煙を出しているそれを握り締めながら泣いている沢田がいる。


「なん、」

「今のはっ」


業と間違えたんです。


沢田は銃を握り直す。手は汗ばみ微かに震えている。こんなんでは当たる筈かない。



雲雀は目を細めた。

「早くしてくれない」


沢田が息を飲んだのがわかった。


「今からやりますから!」



慌てて銃を握り直す。でも彼の手は震えたままだ。



「君には無理なんじゃない」

「無理なんか、」

そこから後の言葉が出なかった。


悔しい。嫉妬と独占欲にかられ沢田の友人に手をかけた奴を始末しなければならないのに。俺の手は言うことを聞いてくれない。


どうすれば、いい。

汗が止まらない。


雲雀は軽く笑った。

「じゃあもう一人犠牲者を増やしてもいいの?そういう甘い所が好きなんだけど時には弱点ともなるんだよ」


今の雲雀の言葉で踏ん切りがついたのか沢田は泣きながらトリガーを引く。


「雲雀さんっ」



壁に弾痕が増えることはなかった。

〈end〉


2009.09.29
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