※死ネタ
雲雀は目を瞑った。
「僕は此処から動かない。」
沢田は雲雀に銃口を向けたまま苦しげにトリガーに手をかけた。
ガウンと鈍い音が部屋に響き渡る。
暫くして雲雀はゆっくりと目を開けた。
横を見ると壁に真新しい弾痕があった。
前を向くとまだ銃口から煙を出しているそれを握り締めながら泣いている沢田がいる。
「なん、」
「俺がっ」
沢田はしゃくりあげながら口を開く。
「俺が雲雀さんを殺せるわけないっ」
涙は止まることを知らない。
「さわ、」
「でも許さない」
俺の友人を皆殺した貴方を許さない。
許せない。
けど、けど。
「俺には無理です」
今度は銃口を己のこめかみに当てる。
「沢田っ」
雲雀が止めるのも振り切り沢田は笑顔になる。
「さよなら、雲雀さん」
そしてトリガーを思いっきり引いた。
鈍い銃声が響いた。
〈end〉
2009.09.29
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