ヒバードとムクロウと…
「雲雀って可愛いもの好きだよな」
放課後、帰り仕度をしていた少年はいきなり話かけられ、顔をあげた。
「え、そう?」
「そうだよ。ヒバードといいムクロウといい…」
「いや、ムクロウは違うような…」
「あと、ツナとか」ツナと言われて少年は赤くなった。
そう。少年は沢田綱吉、通称ダメツナ、またはツナ。
「いっいきなりなに言うんだよ山本はっ!!そんなわけないじゃないか!!」
山本と呼ばれた少年は笑った。
「でもホントのことだぜ?」
沢田綱吉は、雲雀恭弥が好きだ。本人は必死に隠しているが、周囲にはバレバレだ。
「あんまり嬉しくないんだけどな…」
といいつつ綱吉は照れる。
時々天然な山本が確信犯のような行動をとるので、綱吉はどっちなのか時々悩む。
と、その時。
「ちょっと。そこで何してるの」
「おっ。噂をすればなんちゃらだな、ツナ」
雲雀恭弥の登場である。
「いや、違うと思う……」
気がつけば、最終下校時刻。かれこれ2人は30分以上話していたことになる。 だから、学校の見回りなどをする風紀委員の委員長である雲雀が出てくるのは当然ちゃあ当然だ。
「話し声がしたから、来てみたけど、何話していたの。」
雲雀は山本を睨むようにして言った。
「まあそう怒るなって。雲雀って可愛いもの好きだよなって話。」
雲雀はピクッと片方の眉をあげた。
「何それ。」
「だって雲雀、ツナのこと好きだろ?」山本の周りの空気が固まった。
「ちょっ。山本!!何いってんだよ!!」
綱吉は真っ赤になって山本に抗議をしたが無視して、
「んじゃあ、俺、先に帰るわ。じゃあな、ツナ」
と言って教室をあとにしてしまった。
「あっちょっ…山本ー!!」
綱吉の叫びは学校中に響き渡った。
<end>

2009.03.30
2012.01.18 加筆修正
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