お返しはお早めに…2
「並盛水族館…?」
「はい。ダメですか?」
いや……駄目じゃないけどさ。ベタに遊園地かなと思ってたわけだよ。俺は。
へぇー…骸にしては気が利くというか……やるじゃん。
ちょっと見直したかも……。

「で、これは何のマネ?」
「何って、もう一人のボンゴレ(マグロ)です。」
「……ボンゴレ(マグロ)です。じゃないよ!!!」
なにが悲しくて、マグロ(ツナ)と同じ扱いにならなきゃなんないんだよ!!
「よく、ボンゴレに意地悪された時は、このもう一人のボンゴレに愚痴ったものです。」
「うん。骸、もうかえっていいよ。つか帰れ」
「ひどいですっ!!」
だっていくらツナ繋がりだからってマグロに愚痴るなよ……。
てか俺がいつお前に意地悪したんだよ!!
どちらかというと、嫌がらせされてるのは、俺の方なんだけどな……マグロと同じ扱いされたし。
「うん。もう疲れたから、帰ろうかな……」
「って誰に話かけてるんですかあ!?」
「何ってもう一人の骸だよ?」
「それ、わかめですけど……。」
「だって、このわかめが揺れると、骸の頭(変態南国果実)みたいなんだもの」
「ナポッ。なんてこというんですか!!」
「ホントのことじゃん。てかナポッって……」
「うぅぅ……ボンゴレ2、聞いてくださいよ。沢田綱吉が意地悪です。」
「いや、ボンゴレ2というかマグロだしただの。」
「いえっ!ボンゴレ2です!ただのマグロじゃありません!」
「今マグロって認めたよな。」
「なんのことでしょう?」
「……!!」
「………………!!!」
…………

 ―――そんなこんなで色々しているうちに、デートとやらが、終わったらしく、気がついたら、家の前だった。
「今日は楽しませてもらいました。」
「……まあ楽しかったよ(マグロと同じ扱いされたのはちょっとアレだったけど)」
「そうですか…。」
チュッ。
なにかがおでこに触れた。
「ちょっ。何すんだよ!!」
骸は顔色を変えずに、ケロリと言った。「お別れの挨拶です。ちょっとこっちの世界に来すぎて、しばらく来れそうにもないのでね。」
そっか…しばらく来れないのか……。
「だからっておでこにするなよっ。」
骸はニヤリと笑いながら、言った。
「まあいいじゃないですか。それでしばらくは僕のことは忘れませんね?」
「忘れられるわけないだろ。」
呆れた。あんな印象的なデート(俺は認めてない)されたら、忘れられるわけない。「そうですか。なら良かった。それでは……。」
そう言って骸は戻っていった。
あとに残ったのは、俺とクローム(今までの骸はクロームの体を借りていた)。
クロームがおずおずと口を開いた。
「ボス…骸様は、楽しそうだった?」
俺は即答した。
「そりゃ…ね。勿論。たまにはあーゆーデート(俺は以下略)も悪くないよ。」
「そう…」
クロームはふっと笑って帰っていった。
(骸、また来たら、デートしてやってもいーかな……。)

それから一週間がたったある日、俺は自分の部屋でお茶を飲んでいた。
すると、突然窓があいた。
ガラッ。
「ボンゴレ!!デートしましょう!!」「ゲホッ。なんで骸来れるんだよ!!」「ボンゴレに会いたくなりまして。いてもたってもいられなくなったんです。」……なったんです。じゃねー!!!
前言撤回!!やっぱり骸はウザかった………。

〈end〉

2009.03.22
2012.01.21 加筆修正
(エナ様へ捧ぐ)
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