「ん…」
目を開けると見慣れた光景だった。
(あれ…俺確か獄寺くんと徒競走の練習してて…)
「ぶっ倒れたんだよ」
こんのダメツナがと睨まれた。
「いや…あはは…」
まさか自分でも倒れるとは思っていなかった。
付け焼き刃は禁物と言うことか。
「あと、お前に徒競走一番は無理だ」
「はっ?!」
いきなり何を言い出すんだこの家庭教師は。
「そんなのやってみなきゃわからないだろ?」
「あのくらいでぶっ倒れるやつに一位になる資格はねぇ」
「そっちが本音だろ!!」
ビシッと突っ込んだ俺だったが、上手く言い返せない。
俺も薄々無理なのを知っていたから。
「と言うわけであとは自分で何とかしろ」
「何をだよ!!」
家庭教師は俺の突っ込みを無視して消えやがった。
俺はため息をついて何気無く窓を見た
つもりだった。
「ひっヒバ…」
「…」
風で黒がなびく。
何時から居たのかわからないが、確かに今いる。
俺の、好きな
風紀委員長様が。
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