蜘蛛に捕らわれた蝶2
「ん…」


目を開けると見慣れた光景だった。

(あれ…俺確か獄寺くんと徒競走の練習してて…)

「ぶっ倒れたんだよ」

こんのダメツナがと睨まれた。

「いや…あはは…」

まさか自分でも倒れるとは思っていなかった。

付け焼き刃は禁物と言うことか。


「あと、お前に徒競走一番は無理だ」



「はっ?!」

いきなり何を言い出すんだこの家庭教師は。

「そんなのやってみなきゃわからないだろ?」

「あのくらいでぶっ倒れるやつに一位になる資格はねぇ」

「そっちが本音だろ!!」

ビシッと突っ込んだ俺だったが、上手く言い返せない。

俺も薄々無理なのを知っていたから。


「と言うわけであとは自分で何とかしろ」

「何をだよ!!」

家庭教師は俺の突っ込みを無視して消えやがった。


俺はため息をついて何気無く窓を見た


つもりだった。


「ひっヒバ…」

「…」


風で黒がなびく。

何時から居たのかわからないが、確かに今いる。

俺の、好きな



風紀委員長様が。
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