Very sweet
バリッ
ボリッ
「…何してんの」
「何ってクッキー食べてるんです」
バリッ
沢田は仕事が一段落したのか、ただひたすらクッキーを食べている。
「なにこのクッキーの山は」
沢田の仕事机には溢れんばかりのクッキーの箱の山が置かれていた。
パキッ
クッキーを割りながら、沢田は雲雀の方へ顔を向けた。
「いやぁ俺、この前のパーティでそこで出されたクッキーが美味しくてかなりの量食べたんですけど」
それを見ていたのか最近やたらと同盟ファミリーがクッキーを贈ってくるんですよ。確かにクッキー好きですけどねぇ限度がありますよと言いながら、クッキーを食べることをやめない。「ふぅん」
雲雀はくん、と鼻をならした。
この部屋はクッキーの匂いが充満していて、甘い。
「あ、ヒバリさんもクッキー食べませんか?」
沢田ははい、と言って箱ごと差し出す。
「僕、甘いの嫌いなんだ」
沢田はえーとかいってこれ賞味期限までに食べきれるかなどうしよう獄寺君に分けてあげようかな捨てるのは勿体無いしなとぶつぶつ呟く。
ヒバリはふと気紛れで沢田が持っていた食べかけのクッキーを奪った。
「え……ちょっとヒバリさっ」
返して、とのばされた手をはたき、口にくわえた。
バキッ
口に何ともいえない味が広がる。
「…甘い」
「だってクッキーですし」
てゆうかそれ最後の一枚だったのにと沢田は膨れながら言った。
ヒバリはそれを横目で見ながら残りを食べる。
沢田も諦めて他のクッキーの箱を開け始める。
バキッ
バリッ
もうこの部屋にはクッキーを食べる音しかない。
ヒバリはクッキーを食べながら、甘いものは苦手だと再認識していた。
Very sweet
(甘いものは苦手だ)
(だから、甘いのは君で十分だ)
2009.06.27
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