もしもなんてないけれど
「じゃあ付き合おうか」

雲雀先輩は立ち上がるとこっちを向いて僅かに口角を上げた。


「え」

「なんてね。僕ら男同士だしね」



嗚呼、終わった



何が終わったのか自分でもよくわからないけど確かに何かが終わりを告げた。


その証拠にほら、涙が頬を伝い流れていく。


雲雀先輩は驚いて目を見開いている。


「沢田、どうしたの」


「…俺、やっぱり男なんだなって思って。


いくら女々しいと言われても細くても俺、男なんだって」



雲雀先輩は困った顔をしている


困らせるつもりなんかなかったのに




ポンポンと背中をさすられる。


「大丈夫。沢田はちゃんと男だよ」



もう涙が止まらない。



俺の初恋は実らないことを身を持って知った14の夏、


俺、なんで男に生まれたんだろう。


女に生まれればよかったのに





もしも雲雀が普通の中学生だったら、という設定でした。切なめ。


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