「………」
「………」
沈黙に、始まる。
「………」
「………」
時は1時を半分過ぎた頃。
場所は此処、ベッドの上。
向かい合うは一組の男女。
深夜、ベッド、男女とくれば妖しい雰囲気満載と思われても不思議ではないが、この2人の間には妖しい雰囲気も裸足で逃げ出す程の緊張が。
「………」
「………」
数十分もの間、膠着状態の2人。しかし、進展しないのには当然ながら訳がある。
「…その、いきなり寝込みを襲ってしまって…すいません」
この状態を生み出すに至った原因は、バーナビーが、恋人であるリオの寝込みを襲ったこと。そしてそれに彼女が逸早く気付いてしまったこと。
それからというもの、この2人は何を言って良いものか皆目分からず、こうして向かい合っているのだ。
なんとも呆れた話である。
「…やっぱり嫌、ですよね。」
「あの、バニさん、」
「何ですか?」
「…えと、あの…その…」
もごもごと口ごもるリオの言葉を待っても中々埒が明きそうになかった。
ので、この状況で色々と耐えられないでいるからちょっかいを出してみることにした。
「え、ちょっバニさん!?」
「すいません。僕の理性が保ちそうになかったので。」
しゅるり。
胸元のリボンを解き、押し倒してネグリジェをはだけさせる。
それに異常反応し、気が動転した彼女が無理やり起き上がり、先程の続きを口から転がした。
「ババババニさんはっそのっ、童貞っ、ですか!?」
その言葉で現実に引きずり戻されたバーナビーはしゅんと項垂れる。
「この年で童貞って、やっぱり気持ち悪いですよね…」
「きっ、気持ち悪くないですっ!わ、私も処女だし…えと、あのっ…その、するなら、優しくして、ほしいですっ。」
「……それは承諾ととっても良いということですね。待てと言われても聞けませんよ?」
あわあわと不安を漏らすリオの口を己のそれで塞ぐ。
そのままスプリングの利いたベッドへ再び押し倒した。
「…バニ、さん」
「リオ。僕はバーナビーです。ほら、言ってみて。」
「……バーナビー、さん…」
お互いの心音を確かめ合って。
「愛しています、リオ」
ベッドの中で交わす、甘い睦言を。
End,
12/08/16
▽後書き
童貞さんと処女さんの話を書きたくなりまして。
別名:どうにも我慢できなくなって寝込みを襲ってみたら起きちゃって微妙な雰囲気になってしまったお話。
バニーさんは童貞がお似合いだと思うの。個人的には。
勢いで書いたからやっぱりよく分からん話になる/(^o^)\
[*前] | [次#]