ピエロの心中


『なんで笑わないんだ?』
『なに、言ってるの?僕が一番笑ってるじゃん』
『笑顔は、いつも見てるけど、笑ったところは見たことない』




『…そう?』




いつの事かわからないぐらい昔の話、1つ年上のセブンにそう言われ、本当にビックリしたのを覚えている


セブンは面倒見もいいし、周りの事によく目がいって細かいことまで見逃さない典型的ないわゆる“お姉さんタイプ”



本人は特に意識はしていないらしいが、彼女は人の心の変化やチョットした仕草などを集め頭の中で整理し、結論を出すのがうまい。


しかも、出された結果は高確率であたっているという恐ろしい認識力の高い人だった


そんな彼女が僕は少し苦手だった


彼女の綺麗なふじ色の瞳に見つめられると、せっかくかぶった仮面を粉々に砕かれたような感覚がして、






その感覚がとてつもなく怖かった




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