恋ってやつは


ってやつは

第一印象といえばそれはそれは『最低』の一言で、


とあるミッションで失敗したところを助けてもらったのは事実


だが、その際に機嫌が悪かったのか何なのか思いっきりあいつ愛用のロッドで殴られた


それが俺らのファーストコンタクトってやつだった


もちろんそんな出会いで恋愛感情など生まれるはずもなかったし、これからもこいつとはずっとこんな関係なんだろうな、と思ってた。




…そんな最低最悪の『アイツ』に好意を抱いているのに気が付いたのはつい最近の事だった


アイツ――レノの事は親友のカンセルから聞いていた。

とは言っても元々情報がないのか名前と赤髪がトレードマークということしか知らなかった

それなのにアイツの事を好きになってしまったのはきっと…――


そこで思考は中断された。

「おっ」

八番街の噴水の向こうに赤い髪を靡かせながらあるくアイツ




自然と緩む口元を手の平で隠しながらあるく速度をほんの少し早める




きっと話しかけても眉間にしわを寄せてにらみながら「目障りだ」とか「あっちいけ」などと言ってくるだろうアイツの後姿を追いかけた




些細のことをきっかけに生まれるらしい



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