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「お仕置きなのに喜んでちゃ意味ないよなぁ」
「っれが、喜んでる、かよ」

なんでこんなことになってるのか。
規則の緩い寮だから入ったってのに、同室のオタク共(四人部屋のうち俺以外みんなオタクとかどんな罰ゲームだよ)はクソまじめでうるさくて最悪だし、だからってツレに頼んでちょっと脅したのは悪かったかもしれないけど、おかげで最近は門限とか無視できて便利だった。
それにいつの間にかムカついてたらしいオタク共に、部屋に入ったらいきなり捕まえられて(っつーか意外と力あってビビったし)、今に至る。

後ろ手に縛られた状態で後ろから抱かれてそれにもたれ掛かるみたいな体勢で、両側のふたりからくすぐられ続けてる。
服の上から身体撫でられてお仕置きとかホモかよって気持ち悪かったはずなのに、ずっと続けられると意識が集中してチリチリ昂ぶってきて、マジで最悪。

「きめーんだよ、離せって」
「ダメだよ。お仕置きは、これからなんだから」

後ろにいる山田が耳元で言う。気持ち悪いのにくすぐったくて顔をそらすと、何を勘違いしたのか息を吹きかけてくる。

「やめ、やめろ、よ」
「声震えてるね。かわいい」

馬鹿にされてムカつくのに暴れることもできない。右側にいた川瀬が服をめくり上げて、直に身体に触ってくる。気持ち悪い。左にいた岡本は正面にきて、ベルトを外しにかかってる。やばい。オタクってモテなすぎて男でもよくなんのかよ。ってか、それなら三人でやってろよ俺関係ねーし。意識だけ現実逃避しても逃げられるわけなくってどんどん服は脱げるしベタベタ触られるし気持ち悪いだけじゃなくなってくるしどうしろってんだよ。

「おっぱい触ったげるね」
「い、らねーよ、っん」

くすぐられたのと肌寒いのでたってた乳首を爪で弾かれると、びくんと身体が跳ねる。

「あれ、感じてるんだ」
「ち、が、黙れ」
「うん? こうするのが好きなの」

面白がってふちを引っ掻いたり摘まんでこねられたりするとあられもない声が上がりそうで、必死に唇を噛んで我慢する。下着越しに触られたそこももう軽く勃ち上がってるし、緩く揉まれるともっと刺激が欲しくて腰が動いてしまう。

「目開けて下見てみなよ。すごいえっちなかっこしてるけど。自覚あるの?」
「してなっ、い! い、加減にしねーと、ふっ、ぁ、許さね、から、」
「許さないのはこっちのセリフね」

ついにパンツも取り去られて、シャツが一枚頼りなくかかっているだけになる。恐る恐る目を開けると、キモいって思ってたやつらに囲まれながらも勃たせてびくびくして嫌なはずなのに押し付けるみたいな腰とか見たくなかったものが目に入って、嘘だって振り払うようにまた目を閉じる。

「こっちも、お仕置きしてあげるよ」

つ、と前にいた岡本が触れたのはありえないところで、マジでやめろと暴れても力は入らないし三人がかりで押さえつけられるとほとんど抵抗もできない。そんなこと今までなくって、恐怖みたいなのが湧き上がって余計動きが取れなくなる。

「力抜いてたら痛くしないからね」
「ひっ、あ」

どろりとした冷たいものが中に流れてくる。続いて、その滑りをかりて指が。案外するっと入ったそれは、うねうねと中を探って変な感じがする。

「ぬっ、けよ、気色悪ぃ」
「気持ちいいんじゃお仕置きにならないよ」

にやにやしながら中をいじる岡本が、ある一点をかすめる。すると変な感じがぞわっと増幅して、気持ち良さに姿を変える。

「っ、? んだ、よ……これ、意味わかんねっ」

ランダムだった動きが規則的に変わって、そこを責めるように動く。後ろから片方の乳首を指でいじられて、もう片方は川瀬に吸われる。種類の違う快感があっちこっちから流れ込んできて、おかしくなりそうだ。

「ひっ、ぁ……! くそ、やめろっ、て」
「僕、もう指動かしてないよ」
「ふぁ、んん、し、るか、お前、が、悪っ、んん」

二本に増えた指を入り口の辺りで止められると、思わず奥まで飲み込んでしまう。一度動き出すと腰も声も止まらなくなる。川瀬に胸を押し付けるようにして、腰を揺らす。もうイく、というところで、全部の動きが止まった。

「え、なんで、」
「あれ、やめて欲しかったんじゃなかったの?」

思わず出てしまった声ににやつかれ、危なかったと我に返る。

「終わったなら、離れろよ」
「なに言ってるの。ここまでは準備で、お仕置きは今からだよ」

山田が耳元で囁く。嫌で気持ち悪くて早く逃げたかったはずなのに、少しだけ、期待してしまっている自分がいた。



「今日は門限から30分遅刻だよね」
「ひっあ、やら、も、無理……!」
「じゃあ30分、我慢してね」

中に入ったバイブの刺激は強烈で今すぐにでもイってしまいそうなのに、いけないように前も縛られた状態でMAXの振動を飲み込んでる。開きっぱになった口の周りは唾液でどろどろで涙も出てくるしかっこ悪くて仕方ない。もう、かっこなんて気にしてられないんだけど。

「これだけじゃお仕置きにならないかなぁ」

そんなことを言いながら川瀬が取り出したのは低周波マッサージ機で、そこから伸びたパッドを両方の胸に貼り付けられる。

「スイッチいれるよ」

ぴ、と軽い音がしたと思うと、胸にびりっと痛みが走る。釣られて跳ねる身体。最初は痛いだけだったのに、中が気持ちいいのとかと合間って、段々それが快楽に変わる。

「びくびくなっちゃって、かわいいね」
「かわい、く、ね、し! やめっ」
「あと25分ね」

走る電気と、振動と、熱い視線と。全部が俺を興奮させて、そんなわけないのに、びくびく身体を震わせる。

「もう我慢できないんだけど」
「俺も」
「どうする、トイレ、一個しかないけど」

頭上で交わされる言葉。見ると、三人ともズボン膨らませてて、誰から抜くかで揉めている。俺でそんなんなったんだ、と思うとなんでか余計と興奮して、自由に動く足で近くにいた山田のを撫でる。

「お、れで、勃った、なら、俺で抜けよ」

とろけ切った顔で言ったって脅しにもなんにもならない。足の裏に触れる熱いのになんか気持ち良くなるし、もうどうしようもない。

「……どう、しようか」
「……もう、無理だね」

手を解かれて、片方ずつに握らされる。ゆるく動かすだけで硬く大きくなるそれに、息が乱れる。

「ね、口も使っていい?」

興奮した口調で言う岡本は普段の怯えた態度と全然違って、そんな奴らに犯されて好きにされるってシチュが堪らなくなる。俺、ドMだったのかもしれない。

「お仕置き、なんだろ。聞くなよ」

跪くように股間に顔を擦り寄せる。両手で扱きながら。身体はおもちゃで蹂躙されてて、口の中まで犯される。もう、たまんない。

「ほらっ、美味しいって言って」
「ん、っ、は、ぁ、誰、が」
「そんなこと言って、夢中でしゃぶってるよ」

頭を抑えられて、奥まで咥えさせられる。無理やり感がよくって、必死に吸い付く。

「ちょ、まって、出る」

山田の声と同時に、左手の中がどくんと脈打つ。じゅっと音を立てて岡本のを一旦出して、そっちに顔を寄せる。

「ん、出してっ」

何度か手を動かして、びくんとなったそれを舌を出して受け止める。びゅくびゅくと口の中に注がれる生温い液体。見せつけるように口を開いて、唇を舐める。零れないように味わってゆっくり飲み込むと、今度は岡本のを押し付けられる。

「俺、のも、飲んで」

ん、と頷いて、今度は唇で射精を促すように擦りあげる。じゅぷじゅぷと出し入れしたあとぐっと押し込まれて、喉奥で弾けるそれ。飲み込んだあと中に残ったのを絞るように吸い付いて、ぺろっと舐め上げる。

「エロいなぁ。ほら、俺のもあげるよ」
「ん、ほしっ、あ、」

川瀬のを咥えると、胸の電気がびり、と強くなる。気持ち良くって夢中になってしゃぶってると、頭を撫でられた。

「その、まま、自分のおっぱい触ってみて」
「ん、は、ぁ、ふ、ひもち、い」

パッド越しに乳首いじってると、なんかゾクゾクっと背中に変な感覚が走る。

「ぇ、あ、なに、これっ」
「うん?どうしたの」
「ひ、やらっ、イく、イっちゃ、あ、ああっ」

ぞくぞくんっ。駆け上がる感覚に、びくびくと身体を震わせる。前は縛られたままでイけないのに、確かにそれかそれ以上の快感が訪れた。

「フェラして興奮して中と乳首でイっちゃったの?」
「い、うな、ぁっ、は」
「俺まだイってないから、ちゃんとしゃぶってね」

先走りでしょっぱいそこを舐めて、咥えて、射精に導く。口から引き抜かれて顔にかけられて、どろどろで気持ち悪いのに顔が緩む。

「もうしないって約束したら、こっち外してあげるよ」
「んっ、は、ぁ、しなっ、しない、から」
「反省してるの?」
「して、る、の、ごめんなさっ、ぁ、イかせて、らしたい、のっ、ふぁ」

戒めが解かれて、ゆるゆると扱かれる。気持ちいいの全部がそこに集まって、とぷ、とぷ、と溢れる。

「イきっぱなしだねぇ。気持ちいい?」
「ん、きもち、い、も、おかしく、なる」

全身で快楽を受け止めていると、とろとろになった身体と頭を冷ますようなタイマー音が鳴り響く。なに、と思う前に振動が止められて、胸のパッドも外される。

「お仕置きおわり、ね」
「今度からはちゃんと門限守ってね。仲間に言いつけてもいいけど、さっきのちゃーんとビデオに撮ってるから」

サイドテーブルに置かれた鞄から、レンズだけが覗いているのを見せられる。まじかよ、と一気に冷めていく意識に、次の言葉でとどめをさされる。

「守れなかったりしたら、みんなにコレ、見てもらおうね」

それはそれで、なんて思いかけた頭を必死に振り払って立ち上がる。

「る、せ、変態共が。シャワー、浴びてる間に片付け、とけよ。キモい、んだよ」

悪態をついて風呂場に向かおうとすると、手を掴んで引きとめられる。

「ん、だよ」
「シャワールームの使用は22時まで、だよ」
「、こんな、で、寝れねーし」
「じゃあ、拭いてあげようか」

囲まれて、精液に濡れた腹とか顔とか、塗り込むように撫でられる。立ち上がっただれかが持ってきた濡れタオルはあったかくて、拭き取られるうちにまたぞわぞわ気持ち良く、なって、たまるか。

「も、い、から」
「ここも、ローション掻き出さないとなぁ」
「は、ひぁ、中、はッ」

結局その日は消灯時間を過ぎても嬲られて撫でられて、自分たちだって破ってんだろっていう言葉すら言えないくらいどろどろにされた。


(終)
→おまけ