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人間(自我無し)複数×部下
魔王×部下


※魔王様に心酔してるデキる部下がエロい目にあうだけの話
※人間がたくさん出てきますが、ほぼゾンビか触手みたいなものだと思ってください





「やめ、ろ、クソ、人間風情が、離せ」

忠実な下僕だった人間共は、今は命令どころか声のひとつも聞こうとしない。暴れてもがく身体も四方から伸びる手に拘束されて、身じろぎすらままならない。

「なん、で、こんなことに……」

ダンジョン内にいる人間は、すべて特殊なウイルスに感染した私の奴隷たちだった。
人間を滅ぼしたいのなら、人間を人間でないモノにすればいい。そんな単純な発想から、私は感染した人間を支配下に置くことができるウイルスを開発した。近隣の村を幾つか我がものとしたそのウイルスは魔王様にも高く評価されたはずだったのに、どこかから注入されたアンチウイルスによって脆くも崩れ落ちてしまった。

「はな、せ」

はぁはぁと熱く湿った呼吸があちこちから響く。十人近く集まった人間共は、全員がオスで発情した状態にあった。

「やめ、ろと、言ってるだろう」

発情したオス共は言うことを聞きそうにない。身体をまさぐる手がぬるぬると汗でぬめってきもちわるくて、吐き気がこみ上げる。

「ひ、ぁっ?」

ぬめっとした何かが脇腹に触れたと思うと、それは誰かの舌のようだった。それを皮切りに、全身のいたるところに舌と指が触れる。どろどろに汚される感覚は気味が悪いはずなのに、ぞわぞわと鳥肌を立てる皮膚の内側で感じたことのない神経が粟立つ。

「ちょっ、と、それ、やめ」

言葉が通じないことはとうの昔にわかっているのに、それでも口から出てきてしまう。抑えつけられた部分はびくともしないくらい強く掴まれているのに、あとの部分に触れる感触は熱くてやわらかい。粘膜に近い薄い皮膚を探るように舐められると、びくびくとおかしな反応をしてしまう。

「んんっ……、いい、かげんにしろ」

捕食ではない、明らかに性的な色を孕んだ接触。決定的なところに触れられないもどかしい愛撫が、少しずつ私を追い立てる。
するりと衣服は剥ぎ取られて、緩やかな兆しを見せる下半身が晒された。無意味な抵抗だけを義務的に続けていても、期待をせずにはいられない。

「はな、せ、……っ、ぁ」

反応しかけていたものを、無遠慮に誰かの口に含まれる。とろとろでぬるぬるな粘膜に包み込まれて、わずかに腰が揺れる。あんなに動けなかったはずなのにその動きだけはすんなりと受け入れられて、まるで自分から強請ったような形になってしまう。

「ひ、あっ……ん」

一度その感覚が快感なのだと認めてしまったら、もうあとには戻れなかった。どれだけ振り払おうとしたって、逃げられない。

「そ、な、とこ……舐める、な」

抵抗が緩んだことを悟られたのか、後ろにまでだれかの舌が這ってくる。ぬちゅぬちゅと粘着質な音を立ててしつこくねじ込まれる感触に、背筋が粟立つ。

「やめ、っ、も、……っ」

どろどろにされたそこに、誰かの指が沈む。さしたる抵抗もなく入ったそれは、ぐにぐにと人の身体を内側からまさぐる。釣られるように入ってきた数本に無規則に中を触られると、不意に締め付けた瞬間なにか腰の奥が引きつるような感覚が訪れた。

「やめ、って、やめろ、てば」

じゅくじゅくと、内側をなぶられる音が響く。そのたびに、きもちわるさを別の何かが塗り替えていって、くすぶっていた気持ち良さがだんだん明確になっていく。

「やら、それ……も、やだって」

ずるりと抜け出た指。終わりじゃないことなんてわかっていて、それがもう、嫌じゃないことも、わかっていた。

「──っ!ぁ、や、むり、やらぁ」

圧倒的な質量が、身体を押しつぶすようにはいってくる。
痛みはすでにないし、違和感も圧迫感も完全にきもちいいのが上回る。別の誰かの違う刺激を意識しようとしても、そのたびに締め付けて、結局そこに集中してしまう。

もうだめだ、こんなのは。ずん、と奥を突かれるたびに中が引き攣って、気持ち良さに我慢ができなくなる。
こんなのは自分ではない。これは、違う。
首を振って否定を続けることでなんとか自我を保っていると、扉が開く音がした。

「何をしているんだ?」

涼やかな声。こんな場面を絶対に見られたくはない相手。

「ま、おう、さま……これ、っは」

腰を掴まれて声の調子がおかしくなっても、全く興味がないような冷ややかな目は変わらない。

「変わった趣味だな、邪魔をしたか?」
「いえ、ちがっ、違います、こんな……」
「趣味ではない? つまり、お前の本意ではないということか」

見られる。その間にも人間共の動きは止まらない。ぞくぞくする瞳に見つめられ続けるとそれだけでおかしくなりそうなのに、手足の先までぬるついた愛撫を施されて我慢できるはずがない。

「それをここへ招き入れる際、完全に支配下にあると言ったのはお前だったな」

冷ややかな声。失敗した事実を突きつけられて快感なんて感じている場合ではない。感情の込もらない声には失望が滲み出ているようで、先ほどまで感じていた悔しさを改めて噛みしめる、と言いたいところなのに、もうそんな余裕はなかった。

「はい、その、と、りで……す」

挿抜は緩まるどころか、見せつけるように早まる。何も感じていないような冷たい視線がこちらを見据えているのに、浅ましい反応を示してしまう。

「つまり、これは考えたくないことではあるが、作戦が失敗した、ということか」

一語一語丁寧に区切られたことばが、意味を伴わずに頭に流れ込んでくる。視線と、刺激と、声と。すべてがぐちゃぐちゃになって私を追い詰める。

「も、しわけ、ありませっ、ん──っふ、ぁ」

謝罪の言葉を放った瞬間、一番奥を貫かれた。予想外の刺激に思わず達してしまったにも関わらず、激しい挿抜は止まらない。砕けた腰は力が入らないし漏れる声も抑えられない。

「やめ、ぁ、っすみ、ませ、ん、見ないで、くださ……っ!こ、なとこ」
「それは、情け無い失敗であると認めるということか」

責めも容赦なければ、突き刺さる言葉も視線も容赦がない。

「そ、です、もうしわけ、ありませっ、まお、さま」
「謝る必要はない。わずかにしていた期待がゼロになっただけだ」

魔王様が指をひとつ鳴らすと、今までそこにいた人間はすべて消えていなくなった。残されたのは体液にまみれた自分だけで、支えを失った身体が地面に打ち付けられる。

「そう、仰らず……必ず、次こそはお役に立ってみせます」
「同じことを、二度言わなければわからないのか」

諭すような口調で穏やかに話す魔王様は、私の言葉を受け入れるつもりなんて一欠片もない。

「お前への僅かな期待は潰えた、と、言っている」

その声に呼応して小さく反応してしまった身体が、絶望を深くした。