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僕(学生)×父親の旧友

・タイムスリップモノ
・細かい所の話は飛ぶ
・最後まで致してない

色々雑でも許せる人向けです!




***


「悲惨だな、家庭があるというのにそんな体たらくでは」

僕が家に帰ると、リビングで父親とその旧友が話していた。

「ただいま」
「ああおかえり」

父は僕の声に安心したように振り返り、その旧友の方は(名前は何と言ったか忘れてしまった)僕の顔を眺めたきり溜息を吐いてこちらへ歩いてきた。

「じゃあ私はここで失礼するよ。まあせいぜいお前なりに頑張ることだな」

父親と同業らしいこの人は事あるごとにうちにきてはこうして父親に嫌味を吐いている。どうにも優秀だから返す言葉もないらしく、父親は黙ってその嫌味を聞き流しては後で僕たちに愚痴を聞かせて見せる。

「ああ、じゃあ気をつけて」
「見送りは不要だ」

今日もそうして背中を見送ってからは、愚痴のオンパレードだ。

「ああ、いいタイミングで帰ってきてくれたよ。さすがのあいつもお前の前じゃ控えてくれるからな」

ほっと一息したと思えば流れるように愚痴が溢れ出す。
曰く「結婚もしていない男に家庭を持つ重みはわからない」、「学生時代は不良ぶっていたくせにまともな大人のような顔をするな」だそうだ。それならそれで本人に直接言えばいいものの、僕にしか言えないのだから情けない。

しかし今日はそんな日常から少し離れることができる予定だった。
詳しいことは言えないけれど、知り合いの博士がタイムマシンを開発したということなのだ。


***

無事過去へのタイムスリップに成功したものの、まさかこんなことになるとは思わなかった。
未来からパラドックスの分岐点を探っている博士から通信があり、僕が過去に来た影響で死ぬ人間が現れたと言われたのだ。
しかも、それが父の旧友だというのだから世界は狭い。とにかく見つけ出して、なんとか守りきらなければならない。


***


ようやく見つけた父の旧友は、今とは似ても似つかぬ風貌だった。
金に近い髪色に、薄っぺらいTシャツとよれたジーパン。いくつか耳にピアスも見える。これがあんな真っ当な大人のような顔をしているのは少し恐ろしい。

「何の用だ」

ちょうど車に乗り込もうとしているところをしげしげ眺めているものだから、向こうもこちらを見てくる。所謂因縁をつけられている、という状況に近いかもしれない。

「少し、お話がありまして」
「はぁ? 宗教も勧誘も興味ねーし金もねーよ」
「いえ、そういうわけではなくて」

しかし『あなたはもうすぐ死にます』なんて言おうものならますますその手のものを疑われてしまいそうだ。
何かいい手はないだろうか、と考えるも思いつかず、強行手段に及ぶ。


***


あと30分守りきれば命は助かるらしい。その代わり、それから10分以内に未来に帰らないと今度は僕が消えてしまうと言う。結局タイムスリップなんていうのもほとんど実用的ではないようだ。

「で、なんなんだよ」

とにかく話がしたいと口説き落とし助手席に乗ったのはいいものの、まさかこの気まずい車内で楽しくお話しして30分、というわけにはいかないだろう。
何か、早く時間の過ぎる方法。殴って寝かせるのも無理そうだ。

「ええ、あの、悪意はないので許してくださいね」

控えめな強行手段に出た僕は、相手が油断したのを見計らって押さえつけるようにシートベルトを引っ張った。昔の人はあんな窮屈そうなものをよく付けていられるなと思ってたけど、実際付けた状態でそこを抑えるだけで動けなくなっている。そのままシートを倒して覆いかぶさると、自力じゃ身動きが取れないようだ。

「は、おま、何のつもり……」
「しばらくこうしててください」
「へ? は? なに、そういう?」

物理的に押さえつけている僕に対して、彼は何やら瞬きを繰り返してよくわからない疑問符を振りまいている。
そういうもどういうもなく、かといって説明するわけにもいかないしどうしたものかと思っていると、偶然太ももに当たっている身体の一部分に変化の兆しが現れてきた。

「……、あれ?」
「っ、離れ、ろよ」

不良然としていたくせに、恥ずかしいのか顔を赤らめて視線を右往左往している。しかしこちらにとっては好都合なばかりだ。時間潰しにこんなことをするのは本意でないけど、未来のためなのだから仕方がない。

「気持ちよくしてあげますよ」

じたばたと暴れる腕を取って、シートの裏にネクタイで縛り付ける。これで逃げることもないからこちらの目的はほぼ果たしているのだけど、僕の都合に巻き込んだのだから多少尽くすのも悪くはない。

「……っ、離、せ」

ベルトを外して、下着まで一緒に脱がせてしまう。人気のない場所の車の中とはいえ恥ずかしいのか、小さく首を振って否定をしているはずなのに脱がせたそこは勃ち上がったままだ。

「あまり嫌がってないんじゃないですか?」
「そんなわけっ、あるか」

下から撫で上げるようにつつっとなぞり、先端からじんわりと染み出す液体を塗りこむように指先で擦る。先の方が弱いのか、びくびくと太ももを震わせてこちらを睨んでくる。

「ぬるぬるになってますよ」
「いちいち、うるせーんだよ」

軟化しない態度に少し腹を立てて、指で輪を作り軽く扱いてはやめる、というのを繰り返してやる。しばらく続けると空白の時間が焦れったいのか、止まった手に擦り付けるように腰を動かすようになってくる。

「そんなにイかせてほしいんですか?」
「は? 誰が……っ、くそ」

憎々しげに言いながらもとろとろと先走りを流し続けるのを見るに、意外とマゾヒズムの気でもあるのかもしれない。
試してみるかと少し強めに握ってやると、一瞬痛みを感じて顔を顰めたあとは呼吸を乱して気持ちよさそうに蕩けている。

「も、いいから、やめろって」
「まだだめです」

ここからまだあと20分はある。このままじゃすぐに達してしまいそうで、それじゃあ作戦は形無しだ。

「こっちの経験はありますか?」
「は、どこ触って……!?」
「気持ちいいらしいですよ。僕は知らないんですけど」

先走りでぬるぬるになった指先を、少しずつ下らせる。何をするつもりなのか察したらしいもののもはや抵抗のすべは残されていなくて、僕にされるがままになっている。いやだ、と口では言う割に、軽く差し込んだ指はすんなりと受け入れられた。

「もう半分入りましたよ」
「きもち、わるっ……抜け、よ」

とはいえさすがに瞬時に快楽を得られるわけではないようだ。
他で気を逸らした方が良いのかと、Tシャツの上から唇で胸を探る。

「なに、……っ、ぁ」
「乳首、好きなんですね」

どうせ他人の服だ。汚れるのも構わず食んだり吸ったりしてやると、それに合わせてびくんびくんと身体を跳ねさせる。
入り口を探るだけだった指も少しずつ中に入り始めて、それすらも好くなってきたようだ。

「っ、も、おかしくなる、から、やめ……、ほんと、一回、抜けって」

全身が快楽に蝕まれているのか、先程まで虚勢を張っていた男が怯えたように涙の張った目で懇願してくる。さすがにそこまでされると罪悪感も湧いてきてしまう。

「わかりました」

ぐちぐちと中途半端に一進一退させていた指を一旦引き抜くと、安心したように身体から力が抜けた。と、その隙を見計らって今度は一気に奥まで入れてやる。

「っぁ、んん」

女のような声を上げたのが恥ずかしいが、それでも奥まで突かれてどうしようもないらしい。ただびくつきながら、もう何の凄みもない目でこちらを見上げてくる。

「っ、嘘つけ、馬鹿やろ」
「一度は抜きました」
「おれは、やめろ、て言ってんの」
「それは聞けない相談です」

指の数を二本に増やすともう気持ち良さが隠せないのか、はあはあと息を荒げてこちらを見上げてくる。少し指を折り曲げて、尚更反応するところを探るとびくびくと身体が震える。

「っ、クソ、何なんだよ」

まさか時間稼ぎとは言えなくて、とりあえずその場を誤魔化すために動きを早める。
そのたびにきゅんと締まる中と、とろけながらこっちを見る顔。

「あんまり暴れると、誰かに見つかりますよ」
「っるせ」

言葉と同時に締まる中。やはりそういう願望があるのかもしれないが、僕としてはこっちであまり人に見られるのはよろしくない。

「静かにしていれば、もっと気持ちよくしてあげますから」
「、……早く、終わらせろ」

唇から声が漏れないように、身体が跳ねすぎないように。必死に堪えている姿は正直劣情を唆って、こちらまで煽られてしまう。

「もっと、つよく、」

止めを刺すような一言に、いつの間にか勃っていた自分のモノを解れたそこにあてがう。

「入れ、ますよ……」

つぷ、と先端が入りかけた、その時だった。

《ピピピピピピピピピピピピ》

鳴り響くタイマーの音。はたと我に帰る僕。
いつの間にかとっくに30分は過ぎていて、それどころか早く支度をしないと未来に帰りそびれてしまう。

「は? 何……?」
「ちょっと、説明はしかねるんですが、とにかく僕は帰ります」
「……え、は?なんで?」
「それも言えない、んですけど、急ぎの用があるんです」

慌てて服を着て、忘れないように拘束を解いてやって、これという反論をされる前に車を降りる。

「おい、これ、俺このままって、ひどくね?」
「続きは絶対、しますから」
「続き、つか、今の問題で……」
「あなたが大人になった頃、絶対行きます」

僕の言葉に釈然としないような顔をされ、当然かと思って走り出したら後ろから小さな声が聞こえた。

「絶対、来いよ」

おそらく気のせいではないその言葉に思わず心が動かされてしまう。僕が帰った未来にいるあの人は、もうただの嫌なおじさんなのに。


***

「お待たせ、しました」

未来に帰った僕は、一直線にその人の家へ向かった。会ったらとにかく、まずは名前を教えてもらわないといけない。そうして僕が、ことの顛末を話してしまわなければ。

「いくら大人になってもこないから、やっぱり君は嘘つきなのかと思っていた」
「こんなに、ちゃんと大人になれるんですね」
「これだけ待たされたんだからね」

方向性は違うけど、人を馬鹿にしたような表情は変わっていない。
そして、少し期待の滲んだような目も。

「待たせた分まで、頑張ります」
「ああ、せいぜい頑張りなさい」


迎え入れられた部屋で教えられた名前とそれ以上の色々は、ここに書き記すのは控えておく。