xxxday
「名前、ちょっとこっち向いて」
「なに…んっ!」
ベッドに腰掛けて雑誌を読んでいると純太に呼ばれて、言う通りに彼に顔を向けると突然唇に柔らかい感触。
…キスされた。
「…と、突然どうしたの…」
「キスしたいなって思ってさ」
もう一回、そう強請られて断れるはずもなく。
顎を上げて目を瞑るとまた唇に柔らかい感触を感じた。
数秒後にちゅっと音を立てて唇が離れる。
けど私たちの顔は鼻先が触れるくらいに近いままで。
「まだ足んねー…もっかい」
3回目。今度は私の返事を聞かずにキスされた。
今までより少しだけ長いキス。
また音を立てて唇が離れると今度は間髪入れずに角度を変えて4回目、5回目って繰り返される。
「ん……純太…っ」
純太の頬に手を添えて、6回目は私から。
唇を離すとすかさずぎゅっと抱きすくめられて、7回目のキス。
「可愛い、名前」
耳元で囁かれて、8回目はわざとらしく音を立てて耳朶に。
「っ、ん……」
ぞくっとした感覚に思わず声が漏れた。
その反応に純太がくすっと笑う声が聞こえたと思ったら、9回目のキス。今度は唇を甘噛みされながら。
「名前…」
「純太…っ」
熱のこもった視線が向けられている。
触れるだけのキスじゃもう足りない、そう言いたげな視線を私に向けながら純太の手は服の裾に入り込んできていて、お腹のあたりを直接撫でられた。
…ちょっとくすぐったい。
けど、私もさっきから繰り返されるキスのせいでじんわりと体が熱を持っていて、触れるだけのキスじゃ物足りなくなっていた。
「…今日ってさ、キスの日なんだって」
「へー…あ、それでキスしたくなったの?」
「そんなとこ。…もうキスだけじゃ足んねーけど」
言葉の代わりに純太の首に手を回すと、10回目のキスをされる。
けど今度は、触れるだけで終わらない。
徐々に深くなっていって、その甘さで体が熱を持って頭がぼーっとしてきていた。
結局、ベッドに沈んでからもその後も、今日だけで何度キスされたかもう分からなくなっていた。
後で調べたのだけど、今日がキスの日になったのは日本で最初にキスシーンのある映画で公開されたからだとか。
全然思ってたものと違ったけど、いつも以上にキスされて、キスをした今日は私たちにとって間違いなくキスの日だった。
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