あれは長引いた梅雨が、ようやっと明けた初夏の頃でした。
私は産休の国語教師の代理として、その中等学校に赴任致しました。
とても長閑で穏やかな村で、そしてそこで唯一の学校に私は勤める事になったのです。
私は、東京の雑音と淀んだ空気に疲弊しきっていました。
そんな私にとって、この村はとても素晴らしく思えたのです。
そして、私はここで彼に出会いました。
これは、あるひと夏の不思議な不思議な出来事です。
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