もう、忘れた。

※緑間が桐皇の選手
※ゲスい真ちゃんしかいません
※高尾くんがひたすらかわいそう




「お前は昔と変わっていないな、高尾。」


ビーっと笛が成り、ひとつのQが終わると、息を切らしている高尾の前に余裕の表情で緑間が立っていた。


「・・・」
「何も変わっていないということは、何も成長していないということだ」


フッと緑間は驚いた表情で自分を見上げる高尾を鼻で笑う。


「そうだろう?高尾。」
「っつ、」


緑間がまだ秀徳高校の生徒だった頃、もちろん緑間はバスケ部員だった。
高尾とももちろん一緒で、一時期は「秀徳の光と影」なんて言われるほどの名コンビだった。
なのに、突然の転校。
しかもそれは同じ東京都内の桐皇学園高等学校で。
緑間と同じキセキの世代の青峰もいたのに、突然の転校。
転校が決まってから緑間の態度は一変。部活にも出なくなり、高尾とも口を聞かなかった。理由を聞いたって、聞く耳さえもってくれなかった・・・


「そーいうことだよ、高尾」
「!」
「・・・青峰」


高尾が呆然と緑間を見上げていると、突然緑間の肩に手を回してきた男がいた。桐皇学園エース、青峰だ。
青峰は朝笑うかのように緑間の肩を組みながら高尾を見下ろした。


「緑間はなぁ、もう桐皇の選手なんだよ。昔のことは忘れろ」
「っつ、そんなの、簡単に忘れられるかっ!」
「だとよ、緑間」
「ふん」


緑間は青峰の手を振り払うと高尾の前へ一歩踏み出す。
高尾は昔のように、無愛想だけどどこか優しい真ちゃんに戻ってくれたと思って見上げる。
だが、そこには、昔のような笑ではなく、


「俺は、もう忘れたのだよ。全てな」


人を馬鹿にした、そんな感じの笑が浮かべられていた。




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