耳元で囁いて
第一印象。変な奴。
俺の真ちゃんの印象は、けして良くはなかった。
実際ずっと倒したかった相手なわけだし。変なもんいつも持ち歩いてるし。
顔もよくて、文武両道で、天才で。
バスケだって練習なんてしないだろう、そう思っていたら、
いつも、いつもあいつは遅くまで残って練習をしていた。
それだ、俺の真ちゃんの印象は、変わったのだ。
「真ちゃんってさー、女の子に告白されたことあんの?」
部活の帰り道、俺は思い切っ真ちゃんに聞いてみた。
だって真ちゃんかっこいいし。
「いきなりなんだと思えばそんなことか」
「だって真ちゃんイケメンじゃん?なのに黄瀬みたいに告白されてんの見たことないしー」
「アイツと一緒にしないでほしいのだよ」
真ちゃんは「はぁ」とため息をつくと、
「何度か告白はされたことはある。しかし全て断った」
「え!?なんで!?」
「そういうのはあまり興味はないのだよ」
「もったいねー!それでも今をトキメク男子高校生かよー!!」
「うるさい」
そんなこったろーと思ったぜ。ま、「彼女なんていらん」って顔に出てるしよ。
だから俺は、思い切って言ってみることにしたんだ。
「真ちゃん」
「なんだ」
「俺、真ちゃんのこと好きなんだけど」
「そうか・・・!??????????」
俺がそう言うと真ちゃんは慌てて俺のほうを見る。
真ちゃんはすっごい驚いてて、「い、今なんて!??」なんて聞き返してくる。だけど、すぐに我に返ったようで、ふい、と前を向いてしまった。
「おい高尾」
「なに?」
「「好きなんだけど」の前に「友達として」をちゃんとつけるのだよ。誤解を招いてしまうだろう」
「は?」
どうやら俺の告白は通じなかったらしい。
真ちゃんがすっげぇ鈍いことは十二分に知ってた。のに、こうゆうときに発揮されると少しいらっとくるよね。もう!真ちゃん気づけよ!
「ちょ、真ちゃん、なにいってんの?」
「それは俺がお前に聞きたいのだよ」
「俺は友達とかそういういみで真ちゃんのこと好きっていったわけじゃねーよ?」
「じゃあどういう意味なのだよ。」
俺は背伸びして真ちゃんの耳元で囁いた。
「恋愛感情的に好きって意味だよ?」
「っ!?///」
真ちゃんが顔を真っ赤にして返事をくれるまであと10秒。
意味不明ですねっ