7年ぶりに飲酒をした。虚しくなる。写真を撮っている時のわたし、友人と話している時のわたしが乖離する。
ここがどこなのかもわからなくなりそうなベッド、所詮、全員他人なのだと感じる。酔わない頭。酒に酔える人間だったらなあと時折思っていたことを思い出す。
写真は過去でしかないから面白いなと思う。他愛のない一瞬にも意味がある、ような気がする。最近は小さなカメラで何かと人を撮っている。今年亡くなった友人の写真をあまり残していなかった事に気づいて呆然としたからだ。残っているのは彼のライブ写真と、一緒に撮ったいわゆる自撮りだった。
床、セルロイド。弦の切れたSG、乱雑に脱ぎ捨てられたボーダーのシャツ、宗教施設から聴こえる太鼓の音、朝、頭を撫でる手、わたしがその頃、写真という術を持っていたのなら、その全てを、閉じ込めることができたというのに。
本当のことなんか一つも知りたくない。
わたしはあなたのことが少しだけ知りたい。
矛盾。終わるための場所を探している。