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「お?」


来神学園生徒会室、生徒会長である臨也が次の委員会会議で必要な資料をまとめ整えているとふと、校庭の方が騒がしくなっている事に気付きキャスター付きの椅子に座ったまま窓辺まで近寄り校庭を見下ろした。
すると見慣れた筈の校庭にはまるで漫画の様な光景が広がっていた。

正に死屍累々と言った感じで伸びている大量の不良達。来神の生徒も居れば何故だか他校の生徒も混じっている。そしてその中央にはそれらを叩きのめしたであろう人物がまだ数人の生徒を相手に大立ち回りをしている。
あれ程の大人数を相手にしたのだからどんな屈強な男かと思いきや、其処に居るのは遠目からでも解る程線の細い少女。
そんな面白いとも言える光景に臨也は口笛を鳴らす。


「あぁ!静緒ってば、スカートなのにあんなに暴れて…」


窓に張り付いていた臨也が気になったのか副会長である新羅も窓辺にやって来て、校庭に居る少女に気付くとベタッと窓に張り付いて声を上げた。
新羅の態度と口から出た名前に優秀な脳から記憶を引き出して臨也はあぁ。と頷く。


「彼女が例の“平和島静緒”ちゃん?
君の幼馴染の」
「そう。…って、あぁ!?怪我してるじゃないか!!静緒が怪我す
るとセルティが心配するんだから〜〜」


純粋に静緒自身を心配する気持ち半分。静緒とも仲の良い自分の恋人が静緒の怪我を心配する事に対する気遣いとか嫉妬とかが半分であわあわと校庭の静緒を見守る新羅に臨也はにぃっと口角を上げ、嫌な笑みを浮かべると視線は校庭の静緒へ向けたままぽんっと新羅の肩を叩く。








「気に入っちゃったな」
「え゛?」








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