その1 | ナノ


※mixi上にupしていたものです。





「…本当、俺の初恋返して…」


折原臨也です。ピチピチの高校1年生です。
つい先日入学式がありました。
今日は中学の時の友達、岸谷新羅が小学校の時の友達もこの学校に入学したからと面白い子がから紹介するよ。と連れてこられた放課後のグラウンドで同じ学校の奴やら他校の奴やらを一人きりで相手にしてる男、全員をグラウンドに静めた後新羅が声を掛けると彼は目を見開いて俺を見た。

その目に何処か見覚えがあると思ったんだ。



「お前、いざや?」
「は?」


コテン。とさっきまで大人数を相手に立ち回ってたとは思えない程可愛らしく首を傾げた彼は、俺の名前を口にした。
イザヤなんて特殊な名前俺意外に存在しないと思う。
もしかしたら新羅が先に名前だけでも教えてたんだろうか?とも思ったが、「え?知ってるのかい?」と言っていたから彼自身が俺の名を知っていたことになる。

は?俺、君とどこかで会った覚え無いんだけど?


そう思ったけど、さっきのコテンと首を傾げる癖、琥珀みたいな色の瞳。
古い古い、幼い時の記憶。淡い想い出の1ページが不意に脳内を巡る。
小学校に上がる時引っ越すまではご近所さんだった家の子。同い年だから時々遊んでた。


少し癖があったけど柔らかな髪。
結構活発な子だったけど微笑うと凄く可愛かった。
俺の家が引越しで同じ小学校には通えなくなるって知って、バイバイの時ぼろぼろ泣いてたあの子の白くて小さな手を取って、柔らかなほっぺにキスをしたのを覚えてる。



でも、でもあの子は…



「シズちゃん…」


って女の子だった筈―――?



「その呼び方、やっぱいざやだ。
そんな変わってないからすぐ解った」


にこって笑う顔は何処と無く面影がある気がした。
確か、おばさんが「シズちゃん」って呼んでたから俺もそう呼んでて、暑い日とかに少し長めの髪を括ったりしてる事はあったけどめちゃくちゃ女の子って格好はしてなかった。
てっきり、ボーイッシュな女の子だと思ってたんだよっ!!




俺の初恋は男だった!




そんな今更になって突きつけられた事実に思わず声を零してorzって膝を付いた。
密かに、夢で成長した姿を想像するくらいにはまだ好きだったんだ。


夢の中の綺麗に成長した彼女は何時だって優しく微笑んで俺の名前を呼んだ。








「また、よろしくな。いざや」
「―……」







前言撤回。
やっぱり俺の初恋は継続中なままで。
少子化促進しちゃうけど…
男が何だ。女が何だ。性別なんてそんなチッポケなものに拘ってちゃ本当の愛なんて言えないよね。




男でも、微笑むシズちゃんは可愛かった。
俺の中で大事なのはソレだった。




「うん。よろしく、シズちゃん」



どんな手を使っても、君を俺のものにしてみせるから、覚悟して!




→アトガキ


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