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探偵と情報屋


「御機嫌よう、探偵さん。
 今日も新鮮な情報、入ってるよ。」

黒いボロボロのローブに身を包み、
路地裏に隠れるように蹲る少女が
ポツリとこちらに語りかける。

「御機嫌よう、お嬢さん。
 ナイスタイミングだ。」

男は壁に寄りかかると、
後ろ手で金の入った袋を少女に投げ渡す。

「あの女、噂通りの売女だったよ。
 恵まれてるからこそかしら。」
「ほう。これはこれは。
 君が言うのならば確かなんだろうね。」
「確かだよ。確かだとも。あぁほんと、
 はした金で雇われた、
 とはいえ主を密告するのはなんとも言えない。」

少女はボヤく。

「あぁ、お金、ありがとうございます、探偵さん。
 弟の治療費に出来ます。」

そういって少女はゆっくりと路地裏に消えていく。

男はふぅっと紫煙を吹いて、空を見ていた。






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