×
「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


すやすやロビぐだ


宿屋で眠る少女を男は眺めていた。

少女が抱きしめているのは
昔自分が買い与えた毛布だ。
まさか後生大事に持っているだなんて
思いもしていなかったのだが…
悪い気はしない。

この少女が自分を
頼り、誇り、慕い、愛してくれているのをより実感出来る。

いつの間にか自分の頬が
ふっと緩んだことにも気づかないまま、
少女の頬を撫でる。

「ん、……んー…ろびん…」
「おっと、起こしちまいましたか。」

ゆっくりと目を開け眠そうに瞬きをした少女は
男を見るとへにゃりと笑った。

「ろびん」

嬉しそうに男に手を伸ばす少女を
優しく抱き上げてぽんぽんと頭を撫でた。

「甘えたさんだねぇ、リツカ?」
「ロビンのね、腕の中、あったかいからすき」

むにゃむにゃと眠そうに少女は答える。
そのままにしておけばまたすぐ眠るだろう。

「おやすみ、リツカ。」

眠りに落ちた少女は
ぎゅっと、男の服を握っていた。






top