▼ スヤァ…ぐだ子とディルムッド・オディナ
「ん……」
何やら、いい匂いがする。
「起きましたか、マスター。」
声がする方を向くと
にこやかに笑うディルムッドがいた。
そしてリツカは自分の状態に気づいた。
リツカは今、
ディルムッドに抱き上げられていた。
「ほびゃ?!」
気づいた瞬間慌ててジタバタと動いたが
ディルムッドはたいして気にも止めず
リツカを抱いたままだ。
「昼寝するのはいいですが
きちんとお布団にお入りください。」
「え、ぁ、うん。」
降りようとするがディルムッドが離してくれない。
降ろす気はないようだ。
「あ、あの、ディル?ディルムッドさん?」
「はい?なんでしょう?」
「は、離して?」
「え、お話ですか、何の話をしましょうか?」
「や、あの、そっちちがう…。降ろして?」
「令呪を行使されない限りいやです。」
「そんなに嫌か。」
「マスターと離れたくないです。
危険がいつ訪れるかわかりませんし、
何よりイノシシが来たら大変ではありませんか。」
「それディルのトラウマだからじゃん。」
トラウマ利用してくっ付いてます、えぇ。
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